二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 卍ONE PIECE 空を翔ける海賊. オリキャラ募集! ( No.35 )
- 日時: 2011/01/22 14:03
- 名前: 柚麻. ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
- 参照: 元/(梓!*、 です(*´ω`*)今後ともよろしくお願いします、
第8話〆 日常茶飯事,
「あーっ!!」
レインの大声で、ウソップは大砲を磨くのをやめた。
「何だよ、レイン!」
「麦わらが俺の肉食いやがったぁ!! 返せ、ゴム人間!」
いつもの調子でむぐむぐと肉を頬張るルフィ。
ロリがくすくすと笑いながら、「まだあるわよ」と差し出した。
「ったく……——風[FAN]!!」
ひゅるっ、と音がして冷たい冬の風が舞い上がった。
するとそれは槍のように尖ると、ルフィ目掛けて飛んでいった。
「お前っ……」
ゾロが刀で弾こうとするが、それは風——空気を切り裂くことは出来ない。
「——空斬!」
ロリが叫んだ。
少し丸めた手の先に合った槍は引き裂かれて消えた。
「風が空気を操る人に勝てると思った?」
ロリのきつい目線がレインに向いた。
それは、本当に苛立っている目だ。
「おー! ロリ、サンキュ!! そうだぜ、レイン。肉ならいっぱいあるだろ」
他人事のようにルフィが言った。
それを見てレインの眉が少しだけ上に上がったが、すぐにそれも直った。
「へいへい、分かりました」
また肉を直焼きすると、がぶりと噛み付くレイン。
鋭く尖った爪で、時折ある骨をぽい、と取り出す。
少し拗ねた顔でかぶりつく姿は、一匹狼を思わせた。
「——……日常茶飯事……」
ロリの呟きを聞いたロビンが、不思議そうな顔をした。
「なぁに、それ?」
「聞いたことありませんか? ……東洋の言葉です」
頷いて再び本に目をやるロビンは、とても悪魔の子とは思えない。
ロリは脇にあるロビンに貰った本を見た。
明らかに強くなっていた、先程の能力。
今ならチョッパー程の背丈の物を切り裂くのは容易いだろう。
ここ数日、分かったことがある。
その一つが、能力は命宿るものを切れないということ。
鬱陶しい蝿を切ろうとすると、まるで空気が守ったようにすり抜けた。
彼なら怒らないだろうと危険な考えを持ちながら、サンジにも試してみたが切れなかった。
「日常茶飯事……」
もう一度呟いてみる。
それは自分自身が拒む言葉のようで、口がくすぐったくなった。
手の甲で拭い、落ち着かせると立ち上がった。
「——海軍」
小さな、それでもしっかりした声でルフィが立ち上がった。
「何だと? よっし、逃げろ!!」
「お任せあれ、船長!」
さっきまでの喧嘩を忘れ、船の底に着くレイン。
ロープだけが頼りの今、いつでも飛び込めるようゾロを配置。
「——暴風[VIOLENCEFAN]!!」
すると爆風が起こり、忽ち船はすごい速さで進みだした。
「早く舵きれ!」
レインの慌てた言葉に、フランキーが「おぅ!」と返事をしてきる。
また大工仕事をしていたのか、手が汚れている。
「何だよ、この騒ぎ…うぉっ」
揺れる船で、寝起きのコルーはどてっと転んだ。
そのまま芝生の草を掴むと、脳が目覚めるのを待った。
コルーの頭がさえてきたときにはもう海軍の船は点でしかなかった。