二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空を翔ける海賊. オリキャラ募集!   ( No.42 )
日時: 2011/01/23 14:18
名前: 柚麻. ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: 元/(梓!*、 です(*´ω`*)今後ともよろしくお願いします、

第9話〆  コルーの悩み


「はぁ……」

コルーは今日11度目のため息をついた。
最初は顔をしかめて心配してきたクルー達も姿を消している。
ため息をつき、チョコレートを口に放り込む——この動作を繰り返していた。

「——どうしたの?」

面倒くさくなったロリが尋ねた。
コルーはコバルトブルーの澄んだ瞳でロリをちら、と見る。

「聞いてくれるのか?」
「勿論! 何かあったの?」

ロリが頷くのを見て、コルーは口を開きかけたが、すぐに閉じてしまった。
そんなに深刻なのか、とロリは辛抱強く待った。

「あのな、笑わない?」

代わりに出てきた言葉にもロリは頷いた。

「笑わないわよ。人の悩みを笑う程、私は腐ってないわ」
「じゃあ言うけど……あのな」

決心したような顔でコルーが立ち上がった。

「背が伸びねぇんだよ!」
「——……ん?」

ロリは耳元で唸る風の音で、「背が伸びない」というコルーらしくない悩みかと思った。

「ご免、もう一度……」
「背が伸びねぇんだ! 毎日良く寝て、コック特製ミルク飲んでるのによ!!」

——脱力感がロリの体を駆け巡った。
聞いて損した、というようなロリの顔を見てか、コルーは座って付け加えた。

「ちょっと、そんな目で見ないでくれるかい。だってよぉ、160cmだぜ?
男っぽくねぇだろー!!」

因みに、ロリの身長は175cm近くある。
コルーを見下ろすようにしていつも見ているのを、本人が気にしていたのだろうかとロリは思った。

「そんなこと、悩んでたの?」
「そんなことって何だよー!! やっぱあれか、ルフィみたいに食えばいいのか!?」

一人であれこれ考えているコルーを見ていると、自然と笑みがこぼれた。

「あー! 笑わないって言ったじゃねぇかっ!!」

顔を真っ赤にして叫ぶコルーを制して、ロリは弁解した。

「違う違う。——お父さんそっくりだなって……」
「親父に? お前、会ったことあんのか!?」

目の色を変えて迫ってくるコルー。
ロリは何かされると勘違いして、思わず「空重[KUUZYUU]!!」と叫んだ。
空から雲の塊が降ってきたかと思うと、コルーの頭目掛けて落ちてきて——……案の定、ゴーンと鈍い音がした。

「いってぇ!!」

その塊が重力を帯びた雲だと知ったコルーは頭をさすさすと擦った。

「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ!! 行き成り迫ってくるんじゃないわよ!」

ロリは慌てて粉状の消毒液をチョッパーに借りて、それがしみると分かっていながらもバサバサと振りかけた。

「わぎゃっ」

我慢して痛みに耐え、消えてくると椅子に座ったままロリに聞いた。

「……で、親父は?」
「あ、ええ。貴方のお父さんはそそっかしくて、常に物体に当たっていた……目の前にあるマスト、室内のベットに躓く、痣が絶えない人だったわ」

苦笑して言うロリは「遺伝って凄いのね」と付け加えた。

「ついでに言うと、お父さんも背が低かったわ」

ガクンとうなだれるコルー。


——でもその頭の中は、「明日からはミルクを倍飲むぞ!」という闘志で漲っていた。