二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空を翔ける海賊. オリキャラ募集!   ( No.57 )
日時: 2011/02/10 16:32
名前: 柚麻. ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: 元/(梓!*、 です(*´ω`*)今後ともよろしくお願いします、

第13話〆 盗聴.


「ロリ・ディーテ——聞いたことあるわね」

黒電々虫の受話器を肩と耳の間に挟んで、賞金首リストをペラペラとめくるナミ。
その姿には、盗聴するのが悪いことだと思う気持ちは微塵も無い。

「あった……空斬りのロリ——懸賞金……」

指でリストの上をなぞりながら賞金を数えるナミの頬に、一粒の冷や汗。

「4億8000万ベリー……!! ロリあんた、ちょっと来て!」

盗聴していたにも関わらず大声でロリを呼ぶと、サンジの手伝いをしていたロリは慌てて大皿を机に置くと測量室へ入った。

「はいっ、何です……あ、それ!」

驚いた声で言いながらロリがリストを奪い取る。

「返しなさいよ、あんた誰なの!」
「だから私はロリ=エーテリオンで……返せません!」

今にもちぎりそうな雰囲気のロリを見て、ナミはぴたりと止まった。

「分かったから座って。——誘導尋問!」
「誘導尋問されることもありませんから!!」

部屋を出て行こうとするロリの前に黒電々虫を突き出すナミ。
その姿には、盗聴するのが悪いことだと思う気持ちは微塵も無い……。

「聞いてたの!」
「……そうですよ、私はロリ・ディーテ、懸賞金4億8000万ベリーです!!」

一気にまくしたてると、ロリはうつむいた。

「騙してたんじゃないんです。追々話そうと思ってたんですが……。
ナミさんには先に話しておきますね」
「そうそう! 物分り良いじゃない」

その姿には、盗聴するのが悪いことだと(以下前文)

「母はデリ・ディーテ、5億ベリーの大物でしたが、海軍の英雄ガープに捕まりました。父はそのことを嘆き村を出ました」

ナミは淡々と喋るロリを見て、大人げなのはその所為かと思った。

「因みにその時私は19歳で、白ひげ海賊団の一員でした。そのまま数人の仲間と独立して——母を救おうとインペルダウンへ行ったんですが……」
「仲間は全滅して一人逃げてきた?」
「……大体そんな感じですが、私はルフィさん達が強くなっているのを見てこの船に乗ろうと、軌道を探して気絶したふりをしました」

2人はコルーとレインが聞き耳をたてているのを知らず、会話を続けた。






「なぁ、すげぇこと聞いたよな」
「あぁ……」

興奮した様子でレインが言った。
コルーも頷いた——その瞬間、態勢を崩したコルーが床に激突した。
ゴツンと音がして、「いってぇ!!」と叫んでしまうコルー。

「あんた達……地獄を見たいようね?」

ナミが扉を開き、悪魔の形相で問いかけた。
2人が腰を抜かして言葉も無く座っていると、ひょこっとロリが顔を出した。

「あ、良いですよ。どうせ話す話ですから」

2人にはロリが天使に見えた気がした。
ロリは微笑むと、付け加えた。

「只、ゾロさんには言わないでくださいね。色々お世話になってるので、自分で言いたいんです。
——もし言ったら、そのときは——」

人差し指を2人の顎に当てて、目を細めるロリ。

「あんた達、痛い目に会うわよ——……」

天使から一変、既に悪魔を超えた顔で言うロリを見て、2人はまた頷く。

「ブルックさんみたいに、なるかもね?」

悪戯っぽく笑うロリの顔は、いつもよりすっきりしていた。