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第17話〆　捜査＝奴隷、

[>海軍<］



「……あぁ、これね」

ロビンがニュース・クーが落としていった新聞を拾い上げ、読んだ。

「奇跡の奪還——海軍本部、恥を知れ……貴方も大変ね」

大変とは言っているが、顔は笑っている。
それをコビーに渡すと、「ここ」と指で差した。

「……デリ・ディーテ、インペルダウンから脱走。共犯者は——」
「貸して!」

ロリが奪うように取ると、そこに達筆な字で『ダフィス・ジョーカー』と書かれていた。

「ダフィス・ジョーカー……!!」

ロリがばさっ、と新聞を取り落とした。
そのまま崩れるように倒れそうになるのをルフィが止めると、そのまま聞いた。

「おいロリ!　どうしたんだよ、お前」
「……海賊王ゴール・D・ロジャーとかつて手を組んだ旧友、そして金獅子のシキをまで瀕死に追いやった——史上最悪の海賊。」

何故それでロリがこんなになるのか分からなかったので、聞いた。
するとロリは、か細い声で、

「……そして——私のお父さん」

と呟いた。
吃驚して声をかけようとしたウソップをナミが制すと、冷静な声で言った。

「……名前が違うじゃない?」
「ええ、本当は違う名前……それは私も知りませんが、兎に角旧名を名乗っていたんです……そして父は、母を助けた——」

ロビンは船室に戻り、一冊の本を手にしてまた椅子に座った。

「——ダフィス・ジョーカー……確かに海賊だわ。史上最悪の海賊で、海軍をも恐れず進む、通称返り血のジョーカー……」
「自分の血を浴びたことが無いから、その名がついたんです」

ロリが新聞の端を握り締める。

「何でそんなことしたの、お父さん——……!!」

ゾロの無神経で記憶力の無い頭でも、分かった。
何故ロリがトレーニングルームで過去を忘れようとしてきたのか——。

「……皆さんには、全てを見せますね」

そう言ったロリは半袖の服の右側をビリッと破った。
そこには黒い線が引かれている。
細い、所々うねった線の終わりに、『D』の文字。

「……さっき知った、私の本当の名前はロリ・D・イーテなんですね。
この手配書で気づいたんです。——物心ついたときからある、腕の刺青の理由」

船が静まり返った。
只、レインとコルーのごくっという唾を飲み込む音だけが聞こえた。