ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

第18話〆　裏の裏の、裏。


「Dの血を引く者——」

ロビンがつぶやいて、ルフィを見た。

「お前もDなのかぁ!　コビー、何で知ってんだ?」
「えっと……まさか、本人が自分の名前を知らないんですね。——デリ・D・イーテ……それが貴方のお母さんの名前です」

ロリは真剣な顔でコビーを見た。
全て聞かせて言いたそうな顔で——。

「海賊王、ゴール・D・ロジャーをゴールド・ロジャーと呼び違えたように、デリさんもデリ・ディーテ——海の女神と間違えられました」
「……だから私もロリ・ディーテと間違えられたの?」

頷くコビーに、ロリはため息をついた。

「面倒くさいことしたわ……初めから偽名を名乗ることなかったのね」

その時、コビーの懐で電伝虫がプルルルと鳴った。

「もしもし、はい……え、ちょっ……無駄話してないで捕まえろ?」

それを聞いたロリがコビーから電伝虫をむしりとると、受話器に向かって叫んだ。

「海軍、良く覚えときなさい!　父母を逃がしたことは、あんた達の恥よ、恥。一刻も早く、あの間抜な母と暴走する父を止めなさい!!」

ガチャン、と受話器を戻すと、唖然としているコビーに向かって人差し指を伸ばした。

「海兵、あんたには感謝してるけど……もう少し礼儀を整えてから来なさいね。——空銃!!」

正確にコビーを捉えた空の弾丸は、サンジ同様コビーを気絶させた。

「レイン、早くあいつを船に戻して、風で遠くへ飛ばして!!」
「はぁ?　何で俺が——」

銃口がレインに向いた。
それを見て慌てて指示に従うレインの頬に、冷や汗が流れた。

船に乗っていたヘルメッポが目を覚ましたときには、もうルフィ達の船は遥か遠くへ消え去っていた。

「あんたねー、ややこしすぎるのよ」
「仕方ないじゃないですかぁ。世間が間違えたことですよ?」

ナミとロリが船室に入りながら言い合っているのを見たロビンがクスリと笑った。

「また、良い研究が出来そうね」

すらりとした身を持ち上げて自分も船室へ入る。
机に置かれたままの本が風でぱらぱらと捲れた。