二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空を翔ける海賊. オリキャラ募集!   ( No.84 )
日時: 2011/02/06 10:43
名前: 柚麻. ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: 元/(梓!*、 です(*´ω`*)今後ともよろしくお願いします、

第19話〆 『D』の紋様


「チョッパー君、今いいかな?」

ひょこっと船室に顔を除かせるロリ。
背中でくくった髪が右に傾いた。

「どうしたんだ、ロリ?」

調合していた手を止めて聞くチョッパー。
彼女は髪を抑えると部屋に入った。

「刺青を消してほしいの」

腕を見せて、ひらひらと振る。

「完全には消せないな。何でだ?」
「ん? 新しい刺青を彫ってほしいの」

丁度船室の前を通りかかったナミの足が止まった。
右手で刺青を撫でると、何か思い出したように部屋に入った。

「ロリ」
「あ、ナミ! どうしたの?」

つい最近から、ロリはナミのことを呼び捨てにするようになった。
閉ざしていた心が少しずつ開いてきている証だった。

「やっぱ、あんたあたしと似てるわ」

苦笑して右手にアーロン一味の刺青、左手に今肩に刻まれている刺青の書かれた紙を出すナミ。

「何ですか、これ?」
「私の昔の刺青と、今の刺青。変えたい気持ちも分かるわ」

困ったような顔でそれを渡すと、ロリは少し目を伏せた。

「……うん、やっぱり変えたい。チョッパー君、お願い!」
「分かった。けど、どんなのにするんだ?」

首をかしげるチョッパーに、ロリは紙を差し出した。

『DRT』——その文字が迷い無く書かれている。
Dの文字はバツで消してあり、横に髑髏もかかれている。

「……私は、ロリ・D・イーテ——その事実は変えられないから、それを誓うの」

はにかんだ顔で笑うロリ。

「Dをバツで消しているのは、貴方達を仲間と思う印。——RとTは私の名前からとったもの」

チョッパーとナミの左腕にかかれたバツを差して言う。
それは、アラバスタの王女と仲間である印だ。

「ルフィさんが、お前がおれ達を信頼するなら書いとけって言ったの」

チョッパーは「そうか!」と嬉しそうな顔をすると、すぐ消毒液などを持ってきた。

「左腕に真っ直ぐ縦に彫ってね!」

無邪気に笑う彼女を見て、ナミも自然と笑顔になった。

「あんたを見てると、昔のあたしを思い出すわ」

言うなり、ハッとして顔をあげるナミ。

「いけない、時化がくる! ルフィ、急いで!!」

持っていた服を置き去りに、ばたばたと部屋を出て行く。

「いつも、こんな感じで羨ましいな」
「……そうか? 五月蝿いだけだと思うけどなー。楽しいけど」

次々と腕に浮かび上がる文字。

「よし、完了!」

ロリは左腕を繁々と眺めてから言った。

「有難う、ドクター!」

もふもふした体に抱きついて言うと、チョッパーは垂れた目でいつもの文句を言うと、踊り始める。
ロリは苦笑して外へ出た。

最初、ルフィは腕を見て何か言おうとしたが、ナミがそれを止めた。
いつもの場所で寝ているゾロを跨いで外の様子を伺うと、もう時化は去っていた。

「……これからは、胸を張って言えるんだ——……私はロリ・D・イーテだって!」

力強く頷くと、また甲板へ戻って行った。

——船は、もうすぐ新しい島へ着こうとしていた。