二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空を翔ける海賊. オリキャラ募集!   ( No.90 )
日時: 2011/02/13 14:12
名前: 柚麻. ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: 元/(梓!*、 です(*´ω`*)今後ともよろしくお願いします、

第21話〆 死ぬよりも怖いこと、


「……フランキーさん、ご免なさい」

トンテンカンと軽やかなリズムで金槌を打っているフランキーに謝罪をすると、彼は振り向いて笑った。

「麦わらはもっと酷いから、別にいいぜぃ!」

また釘を片手に器用に打ち付けていくフランキー。
ロリは一礼すると、その場を去った。

そのままルフィのいるハンモックまで近寄るロリ。
案の定、ぐーぐーと寝ている彼を起こすのは一苦労だったが、何度も呼びかけると欠伸をしながら起きた。

「ルフィさん、私、死にたくないです」
「んあ? そんなの、皆そう思ってるだろー。」

首を横に振り、続けるロリの目にはルフィが映っていない。
映っているのは、忌まわしい過去の映像ばかりだ。

「初めて、信頼できる仲間が、出来た……。これまではずっと、死んでもいいって思ってた……この人達と一緒なら、別にいいやって」

震える声を抑えながら、ロリは刺青を差した。

「これを描いた日から、私は……初めて人を好きになれた。この仲間達の冒険を見ないまま死にたくない」
「……そうか!」

顔を上げてルフィを見ると、嬉しそうな顔で言った。

「おれは、死ぬのが怖くない奴を見たことねぇからよー、お前見たとき吃驚したぞ」
「ルフィさんは、知っていますか?——人を痛めるときに感じるのは、快感ではなく恐怖。……ルフィさんは、仲間を守るためにずっと……」

ルフィが言葉を遮った。
ニィ、と笑うと立ち上がる。

「お前は、海賊王になるっていうおれの夢を笑うか?」
「夢を見ることは自由でしょう? 絶対笑わない」

すると、ルフィはかぶっていた麦わらぼうしをロリにぼすっと被せた。

「そういうのを信頼って言わないでどうするんだよ? おれは、分からないことだらけだけどよ」

後半を聞いて、力強く頷くロリ。

「仲間だけは、誰よりも分かってると思うけどなー!!」

その裏のない笑顔を見ていると、ロリは途端に目頭が熱くなった。
顔を伏せて目元を拭う。

「……死ぬことより、怖いことを見つけました。——仲間を失うこと、それは私にとって……何よりも怖いことです」

するとロリも立ち上がって、人差し指を伸ばした。

「ゾロさん、サンジさん、ナミ、ロビンさん、チョッパー君、ウソップ君、フランキーさん、ブルックさん、レイン君、コルー……そしてルフィさん」

最後にルフィの鼻先に指を動かすと、微笑んだ。

「貴方達を愛することが、私にとっての一番の償いです」

そして、存在を確認するように自分の刺青を数回撫でるロリ。
ルフィも、晴れやかな笑みを浮かべると、麦わらぼうしを被り直した。