二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 絶対可憐チルドレン ( No.14 )
- 日時: 2011/01/15 12:24
- 名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)
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薫のよく通る高い声が,虚空に響く。そして,天才科学者・皆本の的確な指示がその声に続く。
「3人とも,あの子の能力は未知数だ! 葵は空間認識であの子の姿を確認しつつ紫穂と救助,紫穂は葵と瞬間移動 で機内に侵入して,負傷者の応急手当と病院への搬送…」
「了解!!」
力強い葵と紫穂の声。その声に皆本は頷き,薫の顔を見て言葉を紡いだ。
「薫,お前は…」
「分かってるって!!」
「!」
薫の体から,真紅の光が迸る。
「機体の着陸,その後來羅の確保…だろ!?」
……————皆本さんは普通人でしょ??
私達とは,違うの—————……
皆本の脳裏に紫穂の言葉が蘇る。
(超能力者だって,普通人だって…分かりあえるはずだ…!!)
「気をつけて行けッ!! ザ・チルドレン!!!」
「よっしゃあぁぁ!!」
輝きを増す,薫の光。緑色の光に包まれて異空間に消える,葵と紫穂。そして皆本。
「念動ゥゥゥ…エア・クッション!!!」
飛行機が,見えない力に支えられる。
———ベコッ
鈍い音をあげ,機体が所々へこむ。
「薫ちゃん!!」
葵のテレポートで機内に潜入した紫穂が叫ぶ。
「力が強すぎるわ!! もっと力を抑えないと,落下の力で飛行機が潰れちゃう!!」
「ぇ!?」
キュン,と力を抑える。
「わあぁあぁああぁぁ!!」
力を抑えすぎたのか,薫の面前に飛行機が迫る。そこに,紫穂ではない大人びた口調の声。
「それじゃダメ,力が弱すぎる。もっと強く。そう,その調子……」
來羅のアドバイスに沿い,サイコキネシスを操る。
「そう…できるじゃない!」
さっきまでとは違う,本当に嬉しそうな,無邪気な子供のような声と表情。
「あたし,あなた…ううん。薫ちゃんの事,好きになっちゃうわ!!」
來羅の手からも,赤い光が滲み出る———
*