二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 絶対可憐チルドレン ( No.16 )
日時: 2011/01/15 12:25
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)

          *

 光は來羅の赤を包み,闇は赤を際立たせる。
「來羅…」
 光の中に漂う來羅に呼びかける声。薫,そして機体とその中にいた3人の姿は,ない。

「薫ちゃん?」
 声の主,薫の名前をそっと,呟いた。
「來羅。あたし達エスパーは,拒否され続けてきたんだよ? 紫穂だって,葵だって,あたしだって。あたし達を支 持してる,皆本や,局長だって。かぁちゃんや,ねぇちゃんだって」
 だから,何? どうして?…という言葉をのどの奥で呟く。決して,声には出さない。決まっているではないか。 
 “エスパーだから,エスパーを支持するから”
 ただ,それだけのコト。

「でも…」
 薫は消えてしまいそうな声で,そっと,言葉を紡ぐ。
「あたし達は…あたしは,そんな声にも負けないで,バベルの特務エスパーとして,
生きていく…って。皆を守る…って,決めたんだ。だから來羅,あたし達と…」
 言葉が切れ,葵,紫穂の声が重なる。

「生きていこう??」

 ずっと,ずっと待っていたその言葉。
 誰かに言って貰いたかったその言葉。
 目に涙を浮かべて,嬉しそうに頷く。
「薫…ちゃ,ん…」

 光が,消えた______

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