二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 絶対可憐チルドレン ( No.18 )
- 日時: 2011/01/15 13:06
- 名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)
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「あああぁァ…」
うめき声にも近いため息をつく,赤い髪の少女。
「薫! んな変なため息つくなや」
「だって…來羅と戦ってからまだ3日しかたってないのにぃ…」
ハァァ…とまた息を吐く。
薫のため息の原因は一時間前の事となるのだが。
『あーーー!! 暇だぁぁぁ』
『あら,いい事じゃない? 任務が無いって』
紫穂は嬉しそうに言う…いや,言いかけた。
『…でも,そろそろ猟奇的殺人事件とか起こらないかしら?(ニヤリ)』
『ひいッ!! 怖っっ!』
薫と葵の声が重なる。
と,その時。
『最低』
『!?』
背後から急に聞こえた声に反応する。
『任務をおもしろ半分でこなすなんて。…バカなの?』
目の前にいる少女が淡々と吐き捨てる。短い黒髪と,それに映える真紅の瞳。整った顔には,微かな笑みさえ浮かんでいない。
『あなた…誰?』
紫穂が問い掛ける。
『答えなさ…きゃッ!!』
重ねて問う紫穂の言葉の語尾が揺らぎ,微かな悲鳴へと変わった。
『やァ! チルドレンの諸君!!』
局長が現れ,紫穂の腕を引いたからだ。
『あ…局長』
以外にも口を開いたのは紅い目をもつ少女だった。
『…失礼しま,す』
最後まで言い終わらないまま,踵を返し,立ち去ろうとしたのだが。
『ッ!』
『おっと,失礼。大丈夫かい?』
いきなり角から現れた皆本にぶつかった。ペコリ,と一礼して足早に立ち去る少女を見やってから,薫達は局長と皆本を睨む。
『…誰!? 今の!!』
3人に詰め寄られ,仕方なく…といった顔で,ため息をついた。
『あー…今のはだネ…新しい,特務エスパーだヨ。名を,木之本飛鳥クンと言ってネ』
あごの辺りをボリボリと掻き,気まずそうに言葉を紡いだ。
『…彼女の指揮官は…皆本君だ。 …もちろん,キミ達と掛け持ちでネ』
『ええぇぇぇぇぇぇーーー!?』
…それが,一時間前のことである。
もちろん,この後皆本はチルドレンによって事の全てを白状させられるのだが。
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