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「薫!!　飛鳥ッー!!」
　皆本が叫ぶ傍らで，紫穂が静かに涙を流していた。
「…紫穂?」
　心配そうに葵が声を掛けた。
「大丈夫」
　一言そう言うと，あのね…と呟いた。
「あの工場，爆発する…って飛鳥ちゃん，知っていたと思うの。だから彼女は，私に行かせないように…って。もちろん考えすぎなのかもしれないわ。でも…でも，彼女の目…とても悲しそうだった」
「紫穂…」

フルフルと首を横に振り，紫穂は再び口を開いた。

「ねえ…皆本さん，葵ちゃん…あの二人…大丈夫かしら??」
　
「あぁ，きっと…」

　———ドォォオオォォォオオ———…

　二度目の爆発が起こると共に，真紅の神々しい光が工場を包んだ。

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