二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 心霊探偵 八雲 〜つながる絆 ☆参照500突破!!  ( No.151 )
日時: 2011/05/30 18:35
名前: 凪 (ID: 8ru7RWNK)

うっは〜!!
『名探偵コナン 沈黙の15分(クオーター)』見ましたっ!
最初から最後まで、とにかく面白い!
しかもコナンかっちょいい(;_:)
やばい、やばすぎるw
次は何みよっかなぁ〜♪
『パイレーツ・オブ・カリビアン——生命の泉』でも見ようかな♪
ジャックかっこいい〜(フフッ
海賊大好き!
ONEPIECE大好き!!

———————→更新

第一章 悲劇

  (5)

「あれ?八雲じゃねぇか」

晴香は声がして後ろに振り向いた。

そこには、旅館の浴衣を着て無造作に生やした髭にドスン、とでかいク

マのような体つきをした男。隣には、その男と同じく浴衣を着た美人の

女性。これはまさか——

「ご、後藤さんっ!?——と敦子さん?」

「おおぅ、晴香ちゃんもいたのか」

その男—後藤は晴香の声に反応したのか、晴香の方に目を移す。

「あら、八雲くんと晴香ちゃんじゃない。久しぶりね」

敦子は八雲と晴香を見るなり、微笑んだ。

「ど、どうも、お久しぶりです」

晴香は、慌てて立ち上がると頭を下げて言った。

「それにしても偶然だな。まさか八雲と晴香ちゃんに会うとは思っても

いなかったよ」

後藤が苦笑いしながら言った。

「こっちの台詞です。偶然にもほどがあります」

八雲は、よっぽど嫌だったのか腕組みをしてそっぽを向く。確かに偶

然。日本に47都道府県あるなかで、こうして長野の同じ旅館で知り合い

に会うのは、なかなかない。

「…」

後藤も腕組みをして何か考えている様子。そして何かおもいついたのか

二ヤリ、と笑う。

「ははぁ。おまえら、もしかしてデートか?」

この後藤の冷やかすような笑い。止めてもらえないだろうか。

でも、これは—えっと—

「いいえ。断じて違います」

晴香が言い訳を考えている間に、八雲がはっきりと後藤の言葉を否定

した。分かっていることだが、なんの躊躇もなく全否定されるとけっこ

う凹む。

「後藤さんは奥さんつれて山とか森にでも行くんですか」

八雲は眠たそうにあくびをして言った。

「なんで山に?」

「森のくまさん」

あぁ…なるほどね。——って

「ふざけるなぁぁぁああっ!!」

後藤の怒りがおさまらず八雲との距離が一気に縮まる。それを晴香と

敦子が必死に止める。当の本人—八雲は、あせるどころか、うるさい、

と耳に指をいれてアピールしている。これだから相手の怒りを買うの

だ。

——やめてよ!

「えっ?」

後藤、晴香、敦子、八雲の動きが止まる。どこからか幼い女の子の声が

したような—。四人は辺りを見回す。

「あ、奈緒ちゃん!」

誰よりもいち早く見つけたのは晴香だった。意外にも、晴香のすぐ目の

前にいたのだ。奈緒は一応…後藤と敦子の子供となっている。かわいら

しい、くりっとした瞳。誰もが癒されるだろう。こんな幼い女の子が

喧嘩?を止めたのだ。

——んっ?女の子?

晴香の頭の中で何かがよぎる。そして、じわじわと思いだしてきた。

——私を引っ張ったのは奈緒ちゃん?

晴香は奈緒との視線を合わせるように奈緒のそばでしゃがみ、頭の中で言った。奈緒は耳が聞こえないが、頭の中で

話しかければ何故か通じるという。誰でも、というわけではなさそうだが。

——そうだよ!

奈緒は、それを聞かれるのを待っていたように二コッと笑い、白い歯を見せ

た。