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Re: 心霊探偵 八雲 【冬の温泉旅行記】  ( No.159 )
日時: 2011/05/08 15:18
名前: 凪 (ID: M8vlMd6.)


 第一章 悲劇


 (6)


八雲と後藤は、ロビーのソファに座り、晴香と敦子はお土産屋さんで

いろんなものを見て楽しんでいた。奈緒がうれしそうに笑っている。

最近、奈緒の笑顔を見ることが多くなってきたような気がする。

奈緒の笑っている姿を見るとこっちもつい、笑顔になってしまう事があ

る。

——家族、か。

改めて家族の大切さが分かったような気がした。

「後藤さん、奈緒をそんな目で見ないでください。気待ち悪い」

八雲が後藤を軽蔑するような目で見る。

——俺、そんな気持ち悪い目で奈緒を見てたのか?

「——って違う!そんな筈はない!」

後藤にとって、これは心の中で思ってはずだったのだが…声にだしてし

まっていた。後藤はそれに気付いたが、もう遅かった。

「一人で何言ってるんです?」

またも八雲の、そのキツイ視線。だから止めてくれ。

「な…何でもない!」

「そうですか」

後藤は声を張っていった。うるさい、と言われるかと思ったが、意外と

あっさりとした返事が返ってきたので後藤はびっくりした。

八雲は頬杖をついてそっぽを向く。

——ん?何か忘れて—あぁ、あれだ。

「——んで、お前らは何かの用があって此処に来たんだろ?」

後藤が八雲の方を向いて話しかける。

「ご名答。めずらしく後藤さんでも頭がさえている時があるんですね」

八雲が頬杖ついたまま言う。

——なんで八雲は毎回一言多いんだ。

八雲の余分な一言で後藤にスイッチが入る。コイツ、俺の頭のネジが毎

回はずれているような言い方をしやがって。もっとましな言い方はない

のか。もっと、なんかこう———

「いろいろとトラブルが入ったんで」

八雲が不機嫌そうに言った。


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 一旦切ります