二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 心霊探偵 八雲 ( No.19 )
- 日時: 2011/01/30 17:45
- 名前: 凪 (ID: ObYAgmLo)
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「ある意味、すごいな」
八雲は、上を見上げて、一言口から漏らす。
隣にいた晴香もそれにつられて上を見上げる。
「うわっ」
晴香の表情が曇る。
晴香と八雲の瞳に映ったのは、真っ黒になったマンション。
以前のマンションが想像つかないほどだった。
「焦げすぎたハンバ—グみたい」
晴香がポツリ、と呟く。
「もっといい例えは、なかったのか」
八雲は晴香を見て「はぁ…」とため息をする。
晴香は八雲の顔を見ると、顔を真っ赤に染めて横に首を振った。
「?」
八雲は晴香の様子を見て、八雲は晴香を睨む。八雲には分からない。何
故、顔を真っ赤に染める?
その時。
「おい!八雲!」
後ろの方から声の張った男の声が聞こえた。八雲は自分の名前を呼ばれ
て振り向く。晴香も同時に振り向いた。
見えたのは、走って八雲のもとへと向かう後藤刑事。
すこし時間がたって見えたのは—。
息を切らして走っている石井雄太郎。右手にはカギを握ってい
た。車のカギか?
「遅いです。後藤さん」
八雲は大きなあくびをして言う。眠たそうに。まるで猫みたいだ。
「お前に時間を指定された覚えはない。で…」
後藤は首を横に振り、隣にいる息を切らしている石井に目を移す。
「なんでお前は、息をまだ切らしている?」
「車を止めてきたからでしょう。少し遠くに」
八雲は、いまだ息を切らして、四つばいになっている石井の変わりに答える。
「ここでいいじゃねぇか」
「…あのっ。一応…決まりは守ろうと…」
石井はそう言いながらどこかに人差し指を向ける。
後藤、八雲、晴香は石井が指を差した先を見た。
『マンション住民以外、駐車禁止』
注意書きの書かれた看板が見える。
確かに。石井の言う通りだ。
「後藤さんと大違いですね」
八雲は後藤を見てニヤリ、と笑った。
—化け猫が。気持ち悪い。笑うな。
後藤はゾッとすると、慌てて石井におもいっきり蹴りをいれた。
「イタッ!」
石井の声が周りに響いた。
晴香は、びっくりして口に手をあてる。
一方、八雲は、また眠たそうにあくびをしていた。
「オラッ!!いくぞ!」
後藤は叫ぶ。八雲は耳に指を入れた。
「はっ!!はい!」
石井は慌てて立ち上がって走ろうとする。
「あっ!」
晴香は思わず声を上げた。
石井のつま先に大きな石。
八雲は目を張る。
転んだ—。
▼あとがき▼
石井雄太郎、登場!!
初回で転んだ〜(笑)
石井さん、頑張ってほしいものです(汗
はぁ〜。