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〜16〜

真琴に大学まで送ってもらった晴香は、真琴にお礼を言い、ある場所

に向かった。

B棟の裏手にあるプレハブ二階建ての建物。四畳半ほどの小部屋が各

階十部屋ずつ並んでいて、大学側がサークル活動の拠点として学生に貸

し出しているものだ。

一階の一番奥、＜映画研究同好会＞と書かれたプレートが貼ってあるド

アの前に立ち、ドアを開ける。今日は、いつもと違い「やぁ！」と言う

事はなかった。

シーンとした部屋。八雲はここにはいない。

さて、何をしていようか—。

とりあえず、奥のソファに座ってみた。いつも八雲が座っている場所。

意外にも、いごこちが良かった。

ああ、いつも八雲君はこんな風景を見ているのか。

だんだん瞼が重く感じてきた。

眠い。

別に夜遅くまで起きていたわけじゃないのに。

寝ちゃうかも？

いや—寝る。

晴香はゆっくりと瞼を閉じ、深い眠りの中に入っていった。


▼あ　と　が　き

今回は晴香ちゃんだけの登場です。
次回更新する話に八雲達が出てくるでしょう？？
此処は言いませんよ（笑