二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士—参照500ですわ♪ ( No.119 )
日時: 2011/03/24 18:28
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: 今現在ライトニング依存症(黙殴呪焼射蹴斬殺爆

   第十九話 〝違う〟







現在堀を抜け、4人は森に入ったところだ。

「「あ」」
「「お」」
「「ん」」

あおんてなんだ、あおんて。
それはともかくばったりと4人はフランキー、ロビン組と合流した。
ちなみに「あ」と言ったのは女子2名、「お」と言ったのは船長と船大工に「ん」と言ったのは残りの二人。
サンジはすぐさま目をハートにし、「るるお〜びんちゅわぁあああん!ご無事で!?」と女好きっぷりを披露した。

「あり?ウソップたちは?」
「私達のほうには来てないわね。先に行ってしまったんじゃないかしら」

ルフィとロビンは屋敷のほうに目を向ける。つられて後のメンツもそちらに目をやる。
・・・と、異様な光景が目の前にあった。

「おっさんの木と・・・ユニコーンが一杯やってる・・・!!」

ギャァアアァァァアアアアアア・・・・

人面おやじ木と、ユニコーンが本当に一杯やっていた。
驚愕の面持ちで、ついでいたビールは既にジョッキからはみ出している。
ルフィは人面木の首根っこを掴む。

「つかまえたーーーっ!!」
「こっちもだ!こりゃめずらしいな!!」

隣ではユニコーンがフランキーに捕まっている。

「おまえら!!おれと一緒に海賊やら「「「フザけんなァ!!!」」」」

瞳をキラキラさせて言うルフィに、他の男性陣が拒否る。
あたりまえだ。リィフにとってもそれは嫌だ。・・・いくら、(大好きな)ルフィの頼みでも。



二人(2匹?)を開放し、一向は前へ進んだ。

「さっきの木の人や、ユニコーンにもあったわね」
「・・・おお、何だ?」

ロビンの呟きに、隣のフランキーが目をしばたたかせる。のっしのっしと歩くケロベロスを指差す。

「包帯、継ぎ目に番号・・・」
「何者かに支配されてる、ってことですわね」

結論付けるリィフ。頷くロビン。
・・・と、今度こそ船長念願の白いアレがふいーんと霧の空に浮いていた。

「うほー出たァ!!」
「船にいたゴーストか!?」

虫取り網を構えるルフィ。
ゴーストは「ネガティブ♪ネガティブ♪」と言いつつ腕を上下に振り、踊りながら増えてゆく。

「踊りながら増えてくぞ!?おもしれ〜〜!!!」

とっ捕まえようとルフィは網を振るが、幽体なためかそれは彼らの体を難なくすり抜ける。

フランキーが「フレ〜ッシュファイア!!」と言って火を噴く。
・・・が、炎の中をあざ笑うように「ホロホロホロ・・・」と笑いながらゴーストは通り抜ける。

「全然駄目か・・・効きやしねェ」

そのままゴーストは、フランキーの体をも通過する。
フランキーは気落ちするようにがっくりと、うな垂れた。

「今週のおれ駄目だ・・・本当に駄目だ」

どんどん落ち込む。
ついには膝を突き、体のデカかった彼は小さくなって地面にこぶしを打ちつけた。

「・・・・・死のう」
「どんだけ落ち込んでんだてめェ!!」

サンジがすかさずツッコむ。
その脇で、ルフィが手づかみで(多分躍起になったのだろうが)ゴーストを捕まえようと跳び上がった。
当然それは不可能で、ルフィはゴーストをすり抜け地面に墜落した。

「・・・生まれ変わったら・・・おれは、シジミになりたい・・・最低だ、死のう」
「だからどんだけ落ち込んでんだてめェら!!」
「・・・?」

何かに気づいたように、ロビンは霧の空に浮かぶ白い霊体に目を向けた。
リィフもつられてゴーストたちを見やる。
「もしかして、あのゴーストに触れられると・・・生気を失っちゃうんじゃ?」というロビンの呟き。
んなバカな、とサンジは再びかわいそうな背中になった二人を見やる。
溜息をついて、仁王立ちをしたゾロが二人を見下す。

「・・・まったく。普段からしっかり気を持ってねェからそういうことになるんだ」

しかしゴーストは、それならばと試すようにゾロの体を貫通した。

「生まれてきてすいません・・・」
「もういいわ!!」

サンジが豹変(?)したゾロの後姿にツッコんだ。



三人が復帰し、サンジは(曰く)いい様になったゾロをおちょくっていたとき、リィフはしばし一行を離れた。
森のほうにそれたリィフの後姿に、サンジが「どうしたリィフちゃん?」と声をかける。

「レディにそれ聞くの、ヤボじゃありませんこと?」

リィフはいたずらっぽく笑って言った。サンジは慌てて、「すまねェ!!」と言うと目をそらした。
——森のほうにだいぶ進み、彼らの姿が見えないくらい奥に行った頃。
用を足す、と言ったがあれは嘘だ。第一、お嬢様はこんなところでしない。

「ゲェホッ!ゲホッ!!グ・・・はぁ、はぁ・・・。ウッ!!」

強い咳。今までで、一番——酷い。
チョッパーの薬を飲んでいれば少しやわらげてもらうことはできるものの、一回抜かせばこのとおりだ。

死。

イメージが頭に広がる。しかし、リィフ自身死が怖いわけではない。毎日隣り合わせに生きてきた。
今更だ。でも、とリィフは気に体を持たれかけ、思う。今は仲間がいる。自分を心配してくれる人が。
そうだ。


                             あの頃とは、違う。


わたしがいなくなった時、みんなはどんな顔をするだろう。
早く忘れて、あまり悲しまなければいい。

瞳が木に出現していたことに、リィフは気づかなかった。ロビンは彼女を思って、黙っていた。