二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士—オリキャラ男子限定募集 ( No.136 )
- 日時: 2011/04/24 16:21
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: FFXIIIをクソゲーとかいう奴。てめーゲーム自体作れねーだろうが?
第二十一話 毒
手なずけた(?)ゾンビ達からナミ達の情報を聞き出したルフィ達一行は屋敷を目指し森を進んでいた。
そのとき、わきの茂みが動いて全員が身構えた。
幸運なことにそこから出てきたのはただの小さな白蛇だった。殆どの人々は何だと溜息をついた。
しかし硬直を解かない二人がいた。
「?? おい。サンジ、リィフ。おめーらどうした?」
二人はうねりにうねりながら忍び寄るそれを凝視しながら固まっていた。
「だめなんです・・・虫とか・・・そういうのが・・・わたくし・・・わたくしっ!」
「お、おれもなんだ。キモい系の虫とかそういうのが」
白蛇を指差し、サンジもリィフに続いて恐怖に満ちた顔でそれを見ていた。
「なんだぁ。こんなへび!」
言うが早いかルフィはソイツの尻尾を掴むと森の奥のほうまで吹っ飛ばした。
蛇は威嚇のポーズをとる前に捕まれたので、吹っ飛ばされてからやっと威嚇をした。結果、威嚇しながらくるくると飛んでいく・・・という悲惨な状態になってしまっていた。
二人が安堵の溜息を漏らす前に、辺りの茂みから毒々しい模様の大蛇が数多く出現した。
「何だこいつら!!!?」
「うわ、こっちもだ! 囲まれたか!」
「えぇっ、リィフ!? 何やってんだッ!?」
リィフは目を閉じていた。冷や汗が頬を伝うのが見えた。成程、目を閉じてしまえば蛇の姿は見えない。
同時にしかし危険だという行為だ。一か八かだろう。
だが仲間達の心配もよそに、リィフはするすると避けていた。仲間達は知らなかったが、それは〝見聞色〟の覇気だった。むしろ目を瞑ることが集中力を高めるのに役立っていたのだ。
アクアバレット
「水弾!!」
リィフが目の前に突き出した掌から無数の、普通の弾丸を遥かに凌ぐ硬さと速度の水の弾丸が飛ぶ。
蛇たちの多くがそれを受け、怯んで逃げ出そうと後ずさりし始めた。まだ反撃のチャンスを窺うものは少ない。
その時安堵したのか、リィフがよろけた。
一匹の蛇が一矢報いようとしたのか、彼女に向かって勢い良く飛んだ。
「あァっ!!!」
大蛇はリィフの肩に噛み付き、その毒牙が軽く彼女の肩の表面を抉った。
間髪いれずに飛んで来たルフィの拳は大蛇を吹き飛ばし、蛇たちはそのまま退避したがリィフは苦痛に呻いた。
「リィフ!!」
ルフィは彼女を抱える。全員がリィフの顔を覗きこむが、彼女の顔色は当然良く無い。
荒い息を一つ吐くと、リィフは方を押さえながら立ち上がった。
「大丈夫・・・この位」
「魔法で治せねーのか??」
ルフィの質問にも、リィフはただ顔をしかめているだけだった。
そう、彼女の白魔法の契約には病、そして自分への治癒は不可能と定められているのだ。
「おい、無理すんな! おめぇ、さっきのが毒蛇だったらスーパーにやべーだろ!」
「黙って!!!!!」
心配なんてとフランキーをリィフは睨みつけた。
覇気に近いものが空気の中をひた走り、辺りは強い緊張感に包まれた。
「此処には七武海の一人、ゲッコーモリアがいるの! 一番危険なのはあの人たちなんですのよ!!?」
全員が顔を引きつらせる。
「ゲッコーモリア・・・!? ルフィ、彼はあなたよりも元の懸賞金が高いわ!」
ロビンが言う。こくりとリィフも頷いた。
「彼は、カゲカゲの実の能力者・・・! 人々から影を奪い、手下として操る能力を持っている」
気に寄りかかり、肩を押さえたまま語るリィフ。
彼女の見上げた先には大きな屋敷がそびえていた。きっと中にいますわ、とリィフは呟いた。
「彼に影を取られたら一生日の下では歩けない。日光を浴びれば消えてしまうんですの。だから・・・きゃあっ!?」
「・・・そこまでわかっているなら・・・お嬢さん?」
何者かに体をつかまれ、リィフは悲鳴を上げた。続いて声がして、彼女の口がふさがれる。
ルフィたちが気づいた時には、森の奥には目を凝らしてみても人っ子 一人いなかった。
「・・・・・・・・・離して、変態」
「へ・・・!?」
変態呼ばわりは相当メンタルに効いたようで、男はうっと言葉を詰まらせた。
黙りこくっている男性はやがて速度を落とし、そこにあったのは洞窟のような場所だった。入ってみる—抱えられたままだが—と意外にも居心地は悪くない。
男性はリィフを赤々と燃える炎の近くにそっと降ろすと、何かを探し始めた。
リィフは拘束されているでもなく、出入り口も鍵などは無かった。
「・・・・・・・いいんですの? わたくし、逃げますわよ?〝影のセリオル〟」
「おれの名前まで・・・。逃げたきゃ逃げればいい。死ぬよ」
さらりと言った言葉は逆に真実味を帯びていた。リィフ自身、死を感じていたといっても過言ではない。
痛いところを突かれたリィフは黙りこくり、仰向けにねころがされたまま低い天井を見上げた。
「わたくしをどうするおつもり?」
トータルパウンティ
「総合懸賞金7億と50ベリー。・・・一応、依頼金の値で+3億。お前らがここに来たことが運の要かな・・・っておれを殺す気? やめといたほうがいい。あと、剣しまいなよ。」
自分が天竜人だと知っている奴。殺気立ったリィフは大剣を取り出し、寝転がった状態のまま剣を突きつけていたがテリオに制され、それを少し引いた。しかししまってはいない。テリオは溜息をついた。
「ま、賞金首目の前に警戒しない方がおかしいか」
「テリオル・スティリア。異名は〝雪の女王〟。ミラミラの実の能力者。懸賞金10億6000万ベリー。
テリオル・ニクス。異名は〝氷結の息吹〟。ユキユキの実の能力者。懸賞金7億4000万ベリー。
姉のスティリアの能力はミラー、つまり鏡。信頼を得た相手の能力を覚え、駆使することが出来る。」
呪文のごとくリィフの口からつむぎだされる言葉にテリオは目を見開き、口をあんぐり開けた。
自分が捜し求める姉妹達の名だ。自分の目標であり、憧れの二人の名前。
「お嬢さん・・・? おれの姉達知ってんの!?」
「知ってるも何も・・・。あれだけシャボンディで暴れてくだされば知らないほうがおかしいですわ」
微笑を浮かべ、リィフは遠い記憶に思いを馳せた。