二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.17 )
日時: 2011/01/31 20:45
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   第五話 癒しの力

病室から、爆音に近い騒音。
サンジはその音を口実に、病室へ潜入を試みる。
勢いのまま、扉を開く。

よからぬことを考えているため、目はハート・・・。

「どうかいたしましたか!!レデe・・・ぶほっ!!?」
「ご心配なさらず。・・・とりあえず出ておゆきなさい!!!」(怒

サンジは扉が開いた瞬間に飛んできた枕をよけきれず、顔面に直撃する。
枕が顔面からずり落ちそうになっても立ち尽くしていたサンジは、リィフの峰打ちにあって気絶。

ドアは勢いよく閉められ、サンジはものの見事に締め出された。


                *                                *

「な、なんなんですの、あの男は!!?女性の寝ている部屋に入り込もうとなさるなんて、変態ですわ!!!」
「しょうがないよ、ああいうやつだからな。変態なのはみんなよく知ってるし」

ドアの向こう側からしたその会話にフランキーが少なからず反応したのは言うまでも無い・・・。
しかし残念ながら(?)当然、彼のことではない。

「でも、ありがとうね。わたしの治療、してくださって。たぬきさん」
「・・・いや。だからおれは、たぬきじゃな「あ、そうですわ」」

チョッパーのつぶやきは見事に無視される。
しかしリィフの“無視”はわざとではなく—もしかしたら少しわざとかもしれないが—チョッパーを喜ばせようとしてのことだった。

「わたあめ、好きなんでしょう?じゃあこれはどうかしら。お礼に、どうぞ」
「ええっ!!?くれるのか!??ありがとう〜〜!!」

リィフがさっきまで着ていた服のポケットから取り出したのは、ピンクと白のマーブル模様をしたペロペロキャンディーだった。
受け取ったチョッパーはさっそく包みの袋を外すと、キャンディーにしゃぶりつく。

「ふふっ!良かったですわ、気に入ってくれて。村の子供達用にいつも少しは持っているんですの。・・・そうだわ!」

思い立っていきなり立ち上がったリィフに驚いたチョッパーは、危うく飴を取り落とす。
軽々とその飴をキャッチしたリィフは、すまなそうにしてからチョッパーと同じ目線になるためにしゃがんだ。

「ねぇ、わたくしの家で夕食を食べていきませんこと?お詫びとお礼の気持ちを込めて」

にっこりと笑ったリィフに、チョッパーは目を輝かせる。

「本当か〜〜〜!?それ、みんな喜ぶよ!じゃ、みんなに話して行こうぜ!」














リィフのじいや(本当は執事)は、暮れ行く空と大時計を見て眉をひそめた。
今現在、文字盤の短い針は“Ⅶ”を指している。

お嬢様が海賊どもの始末に行ったのは、12時。ちょうどお昼時だった。
いつも少し手ごわい海賊でも4、5時間で帰って来るのが自分の主人だと認識しているし、本人もそう言っていた。


「少し遅れても心配しないで。だってじいやが怪我なんかしたら、わたくしが戦っている意味がありませんわ」—————。


普段からそう言っていた主人の言葉を信じていつも思いとどまってきたが、今回はなぜか不安がたぎる。
何しろ今回の海賊は億越えが2人もいるのだ。

くわえて最近のリィフ様は病の悪化がよく見られます。



本人はなにやら隠したげでおいででしたが、私、じいやはきちんと気づいておりました。

じいやが水晶に向かって呪文をつぶやくと、そこにリィフが映し出される。
無事な様子にほっとする。
しかし次の瞬間、青ざめる。

リィフの体のサイズは元のサイズに戻っているし、彼女の前に立った黒髪の男は—————。


気づけば屋敷を飛び出していた。















「そうかぁ!なんだお前、いい奴だなぁ〜〜〜!!!」

満面の笑みのルフィにリィフは首をかしげる。

なんなのでしょう、この人は・・・。
さっきまで敵として戦っていた相手に「ご馳走になる」と言われただけで、こんなに態度を裏返せるものなのか。
心中正直、微妙に複雑だった。

「よ〜〜っし!んじゃ早速行こうz「野蛮な海賊よ!!お嬢様を返しなさい!!」」

船より下のほうで、誰かの声が聞こえる。
続いて白き聖なる光の弾が下方から次々と打ち込まれる。

「んなっ!!なんだァ!??」
「敵襲だ、敵襲だぁ〜〜〜〜!!」

水色の変態な格好をした男の次に、長鼻の男が叫ぶ。長鼻は完全にパニくっている。
変態っぽい男が船の下方に向かって銃を射ち込む。

「ま、待って!!」

リィフは水色の男に声をかける。
半端なくガラの悪そうな男は、リィフに向かって「あァ!!?」と言う。
かまわず下を覗き込むと、そこにいたのは・・・

「じ・・・じいや!?」
「お嬢様!?ご無事で!?」
「「「「お嬢様ァ!!!?」」」」

黒髪の女性以外の船員たちが叫ぶ。
リィフは腰まである髪を揺らして「あ、ばれちゃいましたわ♪」といたずらっぽく笑った。
特に度肝を抜かされている顔をしていたのは海賊狩りのゾロだった。

「じいや!?怪我してるの??」
「ああ、ここに来る途中で野犬と遭遇いたしまして・・・」
「お、おお・・・。俺の弾のせいかと思ったぜ」

冷や汗をかいたフランキーがほっとしたように言った。根は良い人みたいとリィフは思い直す。
リィフは5,6M以上あった船の上から軽々と飛び降りる。

「見せて、じいや」
「いえ、このくらいたいした怪我では・・・。じぶんでできます」
「いいから。背いたらクビにしますわよ」

リィフはじいやの黒いスーツの裾をめくる。
そこは真っ赤に濡れていた。

眉をひそめつつ、リィフはそこに手をかざす。

「!!????」

クルー
船員達はざわめいた。
じいやの腕からは血痕どころか傷さえもあとを残さずに消えていた。