二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.29 )
日時: 2011/02/06 20:35
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   第十話 8人目



3時間と言ったところだろうか。


自らの部屋で睡眠をとったリィフは、海賊たちのいるホールへとフルーツカートを持って入室。
サンジが俗に言う、ラブハリケーンなるものを発動するも、総無視する。
さっそくルフィの手が電光石火、奥から伸びてくる。

「みなさん起きているようですわね」
「あ〜・・・。まだ船長が起きてないわよ」

ナミのその言葉に疑問を感じたリィフは、あらためて話題の張本人を観察する。
鋭く観察してみると———

「ね、寝てる!?」
「そうなの。ところで私たち、魚人島に行く途中なんだけど。ここってどのくらいでログ溜まる?」
「ログ?ああ、心配しなくても平気ですわ。ここでは白魔導士が次のログを溜めるのです。どんなにいても平気ですわ」

感心したようにナミは頷き、「なら安心ね」と笑う。
横からルフィががつがつと食っている音がするが、よくあの細身でわたくしよりも小さな体でそんなに入りますわね、とかえって感心してしまう。
しかしそのとき、「ん」という声がした。

「んん〜?お、リィフか!」
「見ればわかりますわよね?;」
「おいお前!おれ達の仲間んなれ!」

ナカマ・・・ナカマ・・・なかま・・・仲間・・・??

「なか、ま・・・?」
「おう!お前はおれ達の船の音楽家だ!」

もちろん、ほぼ全員から「はァ!?」という驚愕の声。
船長はしかし呑気にもなっはっはと笑っているし、ロビンも微笑み、サンジは喜んでいる。
実は内心、リィフ自身も嬉しかった。
しかし間髪いれずにじいやが割り込んでくる。

「だめです!だめだめ、だめです!この方はれっきとしたお嬢様なのです!」
「そんなの関係ねェよ!なぁ、冒険は楽しいぞ!」
「いくらお嬢様のよき知り合いでも、海賊にそんなに安易にはわたs「行きます」」

「そうか!」と言い、にししとルフィは笑うが、彼とロビン以外は度肝を抜かれた顔をした。
じいやと海賊たちは顎が落ちそうな勢いで口をぽかんと開いている。
お嬢様と呟くじいやに、安心させるようにリィフは微笑む。

「ごめんなさい、じいや。でも大丈夫、心配しないで。わたくしの強さは知っておいででしょう?」
「し、しかし・・・」
「わたくしはもうここにはいないほうがいいわ。さ、朝食の支度をして!最後の席にはあなたも一緒に」







          朝食後。


日が高くなり始め、リィフは屋敷の中ではしゃぐ海賊達の中で黒髪の女性の後姿を発見する。
黒髪の女性——ロビンは待っていたように静かに振り返ってリィフに案内されるがまま、地下室へとついていった。

隠し階段から行き止まりまで進んでいったリィフは、首元から淡いグリーンの石を取り出した。
リィフがそれを握り締め、祈るように目を瞑るとパズルのようなものが目の前の壁に浮き上がる。
壁に手を当て、白く光るパズルの線を迷いなく複雑に動かす。
すると乳白色の壁は一面を白線と同じ光で発光してガラガラと後退した。

「これは・・・!?」

普段ポーカーフェイスのロビンも、思わず声を上げる。
リィフは隠し部屋の意外と大きなその空間にハイヒールの靴音を響かせながら入室する。

「どうぞ」
            ポーネグリフ
見上げた先には———歴史の本文。
ロビンは目を丸くして、興奮した様子で下まで駆けつけた。
次々と目を走らせるロビンに、リィフは感心したように彼女の視線の先を見上げるが、もちろん読めるわけもない。

「・・・そう・・・」
「何かわかりましたの?」
「ええ。私の求めたものではないけれど。これには、ある少女のことが書いてある」

ロビンはリィフのほうを見ずに、歴史の本文をずっと眺めながら口を開いて語りだした。
その内容は彼女を驚愕させるものだった。

「“その者、創造主の血を引き——。暴走した権力の下、清き心を失わず。血を裏切り、世を混沌に落とす”」
「創造主・・・」
「“白の道を究め、歴史を書き換える。海賊王となりし者と共に”」

本当に自分のことなのだと気づき、リィフはひどく動揺する。
こんなにも大昔からわたくしは生まれることが決まっていたなんて・・・。
読み終えたのだと思ったロビンが下に目を凝らす。

「・・・?まだ、何かあるわね」
「え」
「“その者、翠光の石をもち、水を駆使し、闇と対抗するであろう。白き魔と覇王もちいて”」

闇———。

大昔、白魔導士と黒魔導士が存在していた。
しかし2つとも元は同じものであって、時がたつにつれて分裂したに過ぎなかった。




“白”。それは大切な何かを守ること。つまり“光”。




“黒”。それは人を傷つけ、支配する。つまり“闇”。




そして二つはやがて互いに衝突するようになり、やがて両者姿を消してしまった。
無論、白がまだ存在しうるということは黒もどこかで生きていると言ってもおかしくはないだろう。
だからこの文章はわたくしと対峙するであろう黒魔導士のことも言っていることになる。

「——ぅかした?」
「え?」
「どうかした?って言ったのよ。大丈夫?」
「あ・・・。なんともありませんわ。さぁ、戻りましょう。あなたの求める情報でなくてすいませんでしたわね」

ロビンは気にする様子もなく首を振った。
安心したリィフは、再び壁間を閉じて地下室をあとにした。
















この島で過ごすのも、あと数分かしら———?