二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士—スリラーバーク編突入! ( No.63 )
- 日時: 2011/02/12 20:48
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y
第十六章 ヨミヨミの実
「「〝ヨミヨミの実〟・・・!?」」
「やっぱり〝悪魔の実〟か・・・」
食事後、ブルックはそう切り出した。
納得の声を上げたのはサンジだ。しかし顔を上げたブルックを見てあきれたように目を細めた。
「そうなのです!私実は数十年前に一度死んだのです!!」
「まず顔を拭けよどう食ったらそんなによごれるんだ;」
確かに誰もがそうツッコミたくなる様な顔だった。
白かったはずの骨は茶色に変化し、しかも口元は愚か文字通り〝全て〟汚れている。
ブルックはそんな顔全体を拭くと、ガイコツだからかきれいに白く戻った。
「ヨミヨミの実とはつまり〝ヨミがえる〟つまり『復活人間』というわけで、二度の人生を約束される何とも不思議な能力でしてね!」
爪楊枝をむき出しの歯の隙間に突き立て、「チッ、チッ、チッ、シーハー、シーハー」と掃除をしている。
音を立ててしまうのはどうにかならないのか、と思うが彼がガイコツで肉が無い限り無理そうだ。
どっちにしたって音はたてるだろーけど。
「私その昔海賊だったのですが——あ、失礼ゲップ!!私の乗っていたさっきの船で仲間たちとともにこの魔の海へ乗り込んできたのですが・・・・・・・・・・・・!!あ失礼ブッ!!」
「てめェにマナーってモンを叩き込んでやりてェ;」
なんのためらいもなく体内のガスを出すブルックにあきれたサンジはそう言う。
先程も申し上げたとおり、やはりこんなの←(失礼)が紳士だなんて世も末だ。
「運悪く・・・恐ろしく強い同業者に出くわし戦闘で一味は全滅。当然私も死んでしまったのです!!」
ブルックが話している間、ただ沈黙を守り十字架を常に彼のほうへ向けていたウソップも、緊張した面持ちで聞いている。
そのすぐ隣ではチョッパーが目を見開いていた。
「・・・・・・・・・生きている間はただカナヅチになるだけのヨミヨミの実の能力でしたが。ついにその日実の能力が発動しました」
いつの間にかブルックは遠い目をしていた。
真面目な話になったからか、全員が沈黙を守って静かに彼の話に耳を傾けていた。
「私の『魂』は〝黄泉の国〟より現世に舞い戻ったのです!!」
船員達は死に、自分だけ蘇生・・・か。
わたくしだったらそのまま死んでしまいたい。
リィフは、もうすでにそう思えるほどにこの海賊団が好きになっていた。
「すぐに自分の死体に入れば蘇れる筈が、私の死んだこの海はごらんの様に霧が深く迷ってしまい・・・。霧の中魂の姿でさまよい続けること 一年!!自分の体を発見したときにはなんとすでに白骨化していたのです!!!」
一年たったところで白骨化するのかしら?と思うと、ロビンが「鳥に突付かれたのかしら・・・」と呟いた。
なるほど、とリィフは納得する。
「びっくりして目が点になりましたよ目玉ないんですけども!!!ヨホホホ!!!」
「マヌケだなーゾロみてェな奴だな。なはは」
「あのな;」
方向音痴では無いと言いたいのであろうゾロはテーブルに肘をついたまま言った。
しかし船員全員が認めるほどの方向音痴なのはゾロだ。
ルフィもとても言えたもんじゃないけど。・・・というより、単にバカだから。
「それで喋るガイコツの完成か!白骨でもちゃんと蘇っちまうところが〝悪魔の実〟の恐ろしいところだな」
「もう半分呪いじゃねェのか。その〝実〟はもう役目を果たしてカナヅチだけ残ってんだろ」
フランキーとサンジが声をそろえてそう言う。
「しかし白骨死体に普通毛は残らねェよな・・・ガイコツがアフロって」
「毛根強かったんです」
最もなゾロの発言にきっぱりとブルックは言い放つ。
そうは言っても限度があるだろうという顔をしたゾロはあきらめて「まぁなんでもいいが・・・」と呟いた。
話を一部始終聞いていたであろうウソップが立ち上がる。
「じゃお前オバケじゃないんだな!?つまり!!人間なのか人間じゃねェけど!!」
「ええ私オバケ大嫌いですから!!そんなものの姿見たら泣き叫びますよ私!!」
「あんた鏡見たことあるの?」
どこから持ち出したかナミが彼女自身の顔と同じくらいの丸い手鏡を取り出してブルックに向けた。
突然ブルックは自分の顔を袖で隠し、叫びだす。
「ギャーーーーーーー!!やめて下さい鏡は!!」
「!!」
それを聞いてナミが手鏡を仕舞おうとした時だった。
ウソップはそれを引き戻してまじまじと見つめる。
「え!?おいちょっと待て!!」
「鏡は・・・!!」
「お前なんで・・・・・・・・・!!鏡に映らねェんだ!!?」
「ほんとかーー!!?スゲーーーな!!!」
バンパイア
「バ・・・吸血鬼か!!?」
再び怯えたようにほとんどの者がブルックから距離を置いた。
ナミは涙目になって机の下にほぼ顔を隠した。
しかしルフィ、ゾロ、ロビン、リィフの4人はまだ席に着いたまま。
「!!?い・・・よく見りゃお前〝影〟もねェじゃねェか!!!」
「うわーー!!!本当だ!!!お前は実は何者なんだーー!!!」
ウソップの言葉にチョッパーも下を見て叫ぶ。
沈黙するゾロ。しかし当の本人は・・・。
ズズ・・・・
紅茶をすすっていた。
Σ「いや落ち着くとこかよ!!!」
Σ「こっちは騒いでんだぞお前のことで!!!」
サンジとウソップが騒ぎ立てる。
紅茶を口から離し(今更ながら唇の無いガイコツがどうやってコップを銜えるのかリィフは気になった)、ブルックは重い口を開いた。
「全てを一気に語るには・・・私がこの海を漂った時間はあまりに長い年月・・・・・!私がガイコツであることと・・・・影が無いこととは全く別の話なのです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「続く」
Σ「話せ!!今っ!!!」
本当に続く・・・
Σ「おい作者ァ!!」