二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man † アニメ沿い物語 ( No.2 )
- 日時: 2011/01/21 07:30
- 名前: 花桜 (ID: 011rsMV3)
*プロローグ*
「リンちゃん・・・。この緊急時なのによく来たわね・・・」
周りはとんでもなく騒がしい。「スパイだー!!」などという叫びが聞こえてくる。
だけど、金髪のスラリとした体格の少女、リンは1人食堂に来ていた。
「いやぁ〜、お腹すいちゃって♪」
「はいはい。何食べる?」
「じゃあ・・・ピザとオムライスとシチューとパスタとトムヤンクンとグラタンと・・・」
緊急時にも関わらず少女は黙々と料理を頼んでいく。
「了解。ちょっと待っててね」
「はーいっ!」
無邪気な子供のように笑うと少女は席に着いた。
(・・・だってあの門番の言う事・・・あんまりあてにならないんだもんね・・・)
小さくため息をつく。その時、食堂の扉がバターンッッ!!と開いた。
リンはぎょっとなる。このタイミングで入ってくるのはたぶん——いやきっと——!!
「おいリン!この緊急時に何やってんだ馬鹿!飯食ってる場合じゃない!!」
「レレレレレ、レンッッ!!お、お腹すいちゃって・・・」
「エヘヘヘ」と頭をかきながらリンは笑う。金髪のポニーテールの少年、レンは訝しげな顔でリンを見る。
この2人、とんでもなく顔が似ている。レンはリンの両頬をひっぱる。
「エヘヘヘ、じゃない!!ほら来いって!」
「うわぁぁぁぁんっ!ジェリーさん!またあとで来るから!」
バタンッッと勢いよく閉まった扉に、食堂の料理人であるジェリーは苦笑した。
*
「リナリー!リン連れてきたぞー!」
「あ、リンー?食堂行ってちゃだめじゃない!」
綺麗な髪のサイドテールをした少女、リナリー・リー。
リンは苦笑した。
「ほら、リン!さっきの聞いてたでしょ!神田とロンがもう行ってるから、リンとレンも行って来て!」
「えぇぇぇ・・・」
「・・・にしてもリナリー。そいつ、俺的には怪しくないんだけど?」
「私もそう思うんだけど・・・兄さんが」
視線が集まるのは室長のコムイ。変わらずコーヒーを飲んでいる。
そして。モニターに映る『侵入者』『スパイ』と言われている白髪の少年が叫んだ。
「待って!ホント待って!僕は本当に敵じゃないですって!クロス師匠から、紹介状が送られてるはずです!」
少年を斬り裂こうとしていた神田が止まった。
「コムイって人宛に・・・」
「・・・・・」
ジー・・・と、コムイに痛いほどの視線が注がれる。
コムイは1人の科学班の人物を指さして、ぐちゃぐちゃの仕事部屋を探すように命じた。
*
「・・・コムイへ。近々アレンというガキをそっちに送るのでよろしくな。クロス」
「・・・はいっ!そう言う事です!リーバー班長。神田君を止めて」
見事に紹介状はあった。
「・・・室長・・・」
深すぎるため息をリンはつく。
——その時からだろう。
血塗られた歯車が動き出したのは。
————輪舞曲<ロンド>を
奏でましょう
終焉への
終ワリノロンドヲ———・・・。
*プロローグ END*