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筆魔法使い物語

第１６話　「天才の実力」

円堂君が大きな声を出したから寝ていた店員が起きてしまった。
起こしたかったけれどもう少し優しく起こした方が……
「…………誰？お客……？」
そう言って寝ていた少女が起きる。
「あのさ、ここにいる天才って誰？」
円堂君が唐突に聞く。
急にそんなこと聞いても分からないと思う……
「……ごめん。眠いから…………また今度にして……」
そう言って少女はまた眠りにつこうとする。
「あ！ちょっとまって！」
そう大きな声で起こす。
「……何？………早くすませて……」
少女がそう言ってこっちに顔を向ける。
漆黒の目がこっちを見た。
「あの、私たちこの【蠍座】にいる天才って言われてる人を探しに来たの。知ってる？」
そう聞く。
すると少女はあきれたように溜息をついて目をそらす。
「用ってそれだけ？」
「え？ええ。」
何かあったの？
「じゃあ私に用があるってことですね……」
そう言って少女が立ち上がる。
あなたに？
ということは……もしかして……
「天才ってあなた？」
「そう言われてるだけで、私は何も言ってないです。」
言われてるってことは認められてるってこと。
この子がその天才なんだわ！
「ねえ、あなたは怪我を治せるのよね？」
「それをできるほどの知識は一応あるよ。」
淡々と少女が答える。
「強いの？そう聞いたけど……」
「ある程度は戦える。」
また淡々とした答えが返ってくる。
見てみるのがいいわよね。
「見せてくれない？あなたの実力。」
嬉しくなって声が少し大きくなった。
「……少しだけね。眠いから。」
少女はそう言って歩き出した。


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意味不……
薺ちゃん出しました！
次は円堂対薺ちゃんです！