二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 魔法使い物語【オリキャラ&武器&技募集中!】 ( No.747 )
日時: 2011/02/17 20:39
名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: 5VHpYoUr)

ようこそ。魔法の店【フォース】に

第4話  

「そう……」
氷歌さんはそれから喋ろうとしなかった。
黙りこんで空唄さんの方を見ている。
「あの、何かありましたか?」
空唄さんは少し聞きにくそうに聞いた。
当たり前だな。あんなにジッと見られたら。
「声、治りそうな感じするの?」
氷歌さんは淡々と聞いた。
「え、分かりませんけど……でも日に日に出しにくくなってるんです。」
日に日に?
それは少しおかしくないか?
治っていくなら分かるが、悪くなっているのか?
だったら何かが……
「そう。じゃあこれを。」
氷歌さんはそう言って空唄さんに小さな鈴を見せた。
小さな、小さな鈴。
「それは?」
空唄さんは不思議そうにまじまじと鈴を見ながら言った。
「これがあなたの声をこれ以上出せなくならないようにしてくれる。欲しいかしら?」
「絶対に治るんですか?」
「治るというよりは守ってくれるわ。」
守る?どういう意味だ?
「守るってどういうことですか?」
ほら、空唄さんも分かっていない。
「守るのよ。」
「そう言う意味か分からないですけど……良くなるなら欲しいです。」
「だったら対価を。」
氷歌さんは淡々とそう言った。
「対価?」
空唄さんはそれはどういうこと?
と言うように不思議そうに聞いた。
「そうよ。対価。その者に見合ったものを私に渡してちょうだい。そうすればこれをあげるわ。」
「いいですけど……何が見合ってるのか分からない……」
「その目よ。」
!?
目?
「目ってどういう……」
空唄さんは驚きながらそう言った。
「そのオッドアイの目。それをほんの少しだけ頂戴。」
空唄さんは驚いて言葉が出なくなっている。
「いいのね?」
「え、その、あの……」
「大丈夫よ。痛くもないし、今までと何ら変わりないわ。」
「は、は、はい……」
「契約成立ね。カルア。」
氷歌さんはそう言ってカルアを呼んだ。
カルアは空唄さんに近づき、持っていた手鏡を渡した。
空唄さんは手鏡を見た。
すると、空唄さんの目が少しだけ光ったような気がした。
本人は何も思っていないようで、ただただ不思議そうに手鏡を眺めていた。
「もういいわよ。」
「え?」
氷歌さんがそう言うと空唄さんは驚いたように氷歌さんを見た。
「対価はもらったわ。ではこれを。」
氷歌さんはそう言って鈴を渡した。