二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 魔法使い物語【オリキャラ&武器&技募集中!】 ( No.884 )
- 日時: 2011/03/25 11:36
- 名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)
鬼道視点
〜イナズマイレブン世界編〜
おまえは何がしたい。何でこんな蹴りあいを……?
でもなぜだろう。氷歌の質問答えるたび少しずつだか楽になっている感じがする。
「分かってるからこそ辛いってなんなんだ……!!」
俺は蹴り返す。
「あなたは強いからこそ辛いってことだよ!」
氷歌も蹴り返す。
「両親を失って、春奈ちゃんを守るために強くなったでしょ!?」
それが……
「それがどうした!!」
俺は思い切りボールを蹴り返した。本当に全力で。しかし氷歌は空に飛び上がり、簡単にそのボールを蹴り返した。
「ちゃんと分かってるから、だから悲しくて、辛いのよ!強いから自分で何とかしようとしてるから!!」
自分で……何とかしようとしてる……じゃあどうしろと言うんだ、誰かに頼ればいいのか?無理だそんなこと。円堂や豪炎寺にとって総帥は大切な人を傷つけた人だ。でも俺にとっては恩師で、俺にサッカーを教えてくれた人で……
俺はボールを蹴り返そうとしたが無理だった。力が入らない。蹴り返せず、ボールは地面をコロコロと転がり、止まった。
俺は足に力が入らず、カクンと膝を折り、その場に座り込んだ。情けないが立てそうにない。足に力が入らないのだ。
雨のせいでグラウンドは水浸しだ。俺と氷歌もずぶ濡れになっている。でも今はそんなもの気にならなかった。
氷歌は俺のそばに歩み寄って、話しかけてきた。
「誰かに頼りもせずに一人で何とかしようとして、そんなことで悲しみは消えない。涙は流れ続ける。」
氷歌は淡々とそう言った。冷静な声が氷歌らしくない感じがした。
「誰かに自分の気持ちを受け止めてもらっただけでどんなに楽になるか分かる?」
受け止めてもらう……
「頼れない。円堂たちにとって総帥は……」
「じゃあ私が受け止める。」
氷歌は凛々しい声でそう言いきった。驚きのあまり、俺は氷歌を見上げた。氷歌の顔は凛々しく、覚悟を感じた。