二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [テニプリ]交差する黒と白[小説] ( No.10 )
日時: 2011/01/30 18:50
名前: もんぬ ◆92BN1qNNVI (ID: HnQQx7lG)
参照: んー。……、甘いね。この飴も、この場所も。

*+第1話+*



此処は東京にある、お金持ち学校。
この学校は、運動部が有名で大会に必ず出てるとか。
そんな学校のお話。

***


「………、雰囲気が悪い」

屋上でガリッと言う音と共に、紅髪の彼女は呟く。

「っ!! はぁ、そんなコトかぁ。もう、怒ってるかと思ったゾ」

“ゾ”の所で、左右に結わっている少女が、彼女の頬を突付く。

「止めろ、憂。マジで切れるから。……、儚音が怒ると怖いの、知ってんだろ」

少年が言うと、憂は「あ、そうだね!!」と笑う。

「アンタ達……、少し遅かったみたいよ??」
儚音の口角が上がるのと同時に、憂と少年は頭を抑える。

「いっつー…」
「いったーい!! 儚音のばかぁ!!」
少年、憂の順番で喋れば、儚音は“はっ”と笑う。

「アンタ達が悪い。それに、怖いのは私じゃなくて琥珀でしょ」
儚音が言えば、琥珀は一瞬笑顔を無くしてから、ニコッと笑った。
「えー、俺?? 儚音の方が俺よりももっと怖いじゃん」
琥珀は笑いながら、ガムをぷくーっと膨らます。

「そ、“それよりも”儚音、いきなりどうしたの??」

慌てて遮る憂は見ながら、儚音は顎で校庭を指した。

「あ、」
「……」
憂は一言。
琥珀は、興味無さそうに冷たい視線で“彼女”を見る。

「あれは、“東雲さん”だよ」

儚音と琥珀が驚いた目で、憂を見た。

「え、知りたかったんじゃないの?? あの子のこと」
きょとん、としながら憂が言えば、“まぁ、ね”と儚音。
琥珀はもう一回、彼女を見ると、口を開いた。

「何をするつもりかは分からねぇけど、俺は反対だから」
「あら、まだ話してもいないのに??」
「どうせ、助けてあげる、とかだろ。俺は賛成しない」
「勝手にすれば良いんじゃない??」

儚音がそう言えば、琥珀は舌打ちをして屋上を去っていく。

「えっと、憂も反対だよ」
憂は屋上の扉を見ながら、儚音に言う。
「でしょうね」
儚音の発言に驚ききながら、憂は儚音を見た。

「でもね、きっと協力することになるよ」





***





“あたしは大丈夫だよ!! だから、お願い。庇わないで??”




“でも、お前っ!!”





“っ、大丈夫って言ってんじゃん!!”





“もう、良いよ。行こう、  ”





“あ、あぁ”










“ごめんね、”





とある場所での、とある人達の会話。





***





「この世には、真実と嘘が逆になることもあるんだよ」









「だから、この場所は甘い。今食べている、飴のようだね」