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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: いろいろ長編集 【荊の森】 ( No.11 )
- 日時: 2011/01/23 19:22
- 名前: 薔薇結晶 (ID: Nct0nxVL)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/1222723.html
◆まだ、終わってなどいない——◆
壱
「ちょっとぉ、七花く〜ん!」
首のあたりで金髪を切りそろえた女は、走りながらある人物の名を呼ん
だ。
だが、呼ばれたであろう男は、足を止めずに、歩いていく。
「七花君!待ってって言ってるじゃな〜い!!」
「うるさい。しかも何でまだついて来るんだよ。」
「いいじゃない、だって行くところないし。」
「お姫様、他の理由ないのかよ。」
『お姫様』、と呼ばれた金髪碧眼の女。
元・尾張幕府直轄内部監察所総監督の、否定姫である。
対して『七花』と呼ばれたぼさぼさの総髪の男。
虚刀流七代目当主、鑢七花である。
二人は現在、加賀への道を進んでいる。
場所は変わり、伊賀。
新・真庭の里。
此処には現在、四人の頭領が居た。
「金魚。」
「…何ですか、翡翠さん。」
「また、鳳凰様のお墓参りですか?」
「……こんな私を、忍者にしてくれたのは、鳳凰様ですから。」
袖を切り落とし、全身に鎖を巻いた忍装束。
真庭忍軍の二人。
一つの墓の前に座り込む少女は真庭金魚。
現在魚組の頭領。かつて、真庭鳳凰に拾われた少女だ。
ずっと、鳳凰の墓の前から動かない。
ただ、目を閉じて、墓の前に座っている。
金魚の後ろに立っている青年は真庭翡翠。
現在鳥組の頭領。かつては真庭白鷺の部下だった。
だが、彼は誰よりも鳳凰を尊敬する、純粋な青年だ。
いや、真庭忍軍の者に『純粋』と言う言葉は似合わない。
何と言っても彼らは卑怯卑劣が売りなのだから。
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