二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢小説作品集 【荊の森】 3作品でキャラ募集中! ( No.24 )
日時: 2011/01/28 21:39
名前: 薔薇結晶 (ID: hM8dNcPd)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/1376350.html

◆まだ、終わってなどいない——◆

 弐


加賀へ向かう、七花と否定姫。
だが、そんな二人の元へ、一人、少女が現れた。

「? 何だ?」

「…鑢七花さん、ですね?」

「え、何で俺の名前…。」

「そちらは否定姫様でよろしいでしょうか。」

「えぇ。それより…どうして私たちの名前を知っているのかしら。」

「『見えた』んですよ。」

「はぁ?理由になってないわよ。」

「私は占術師なんですよ。だから、『未来が見えた』。そこで、貴方たちの名前を知ったのです。」

「…信じがたい話だな。」

「当然です。」

少女は淡々と続ける。
そして、ある人物を呼んだ。

「蓮華さん、来てください。」

蓮華、と呼ばれた少女。いや、彼女は帯刀していた。
それを見て七花は構えた。だが、それだけで終わらなかった。
あるものを感じた。

「完成形変体刀…?」

「さすがは虚刀流当主。そのとおりです。ですが、違います。」

「ちょっと、どういう事?完成形変体刀は七花くんが全部破壊したはずよ。」

「えぇ、そうですね。」

「これは四季崎記紀の刀じゃないからな。」

と、少女の隣の彼女は言った。
そして、鞘からそれを抜いた。

「私の名は翔羅紗蓮華。完成形変体刀ならぬ、完全形変体刀。氷刀『銀』の所有者だ。」

「氷刀『銀』…!!」

「聞いた事ないわね…私も四季崎の子孫ではあるけれど。」

「私は直系の子孫ですよ。否定姫様。」

「直系の…。」

「涼音、と申します。」

「苗字はねぇのかよ。」

「四季崎涼音です。七花さん。」

その少女、四季崎涼音は言った。

「完全形変体刀はまだこれ1本しかございません。ですが、まだまだ増えますよ。」

「なっ!?」

「私が作っているのですから。」

「はぁっ!?」

「では蓮華さん。私が逃げる時間を稼いでくださいね。」

「あんたも相当逃げ足速いだろ。」

「ふふふ…っ。」


向こう側へと歩いていく涼音。
否定姫が動いた。

「七花くん!」

「おぅ、分かってるぜ!」

「行かせんっ!」

そして翔羅紗は刀を振った。
それは、氷刀『銀』は刃から雹を生み出した。

「なっ…!?」

それに一瞬怯む七花。
だが、体勢を立て直し、突進する。
雹を手刀で叩き割って翔羅紗に近づく。

すると、翔羅紗は刀を鞘に納めた。
そしてゆっくりゆっくり七花が接触する直前まで鞘から刀を抜くのに時間をかける。
七花が近づいてきて、あと数歩のところで抜き終わった。

抜き終わった後の『銀』は、刀身自体が変形していた。

「げっ、何だよその刀!」

刀が四方八方に尖っているのだ。
しかも、氷で。まるでつららの様に。

「これぞ、“氷山刀結(ひょうざんとうけつ)”!!」