二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

イナズマイレブン   —離れた双子と離れた妹— ( No.2 )
日時: 2011/06/06 09:11
名前: 来霧 (ID: .bQK46b9)

    第一話





「敦也お兄ちゃん!士郎お兄ちゃん!どこなのー?!」
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「雪崩ちゃん!大丈夫?」

そう私を呼ぶ声が聞こえて私は目覚めた
眼を開けた時、部屋の中が見えた。
ほとんどの物が白くて、鼻につんとさすような独特な臭いが、
私に「ここは病院だ」と言っているようだった

(そうだ…昨日から入院してたんだっけ)

私は自分の名前を呼ぶ人のほうを見た。

「雪崩ちゃん。うなされてたけどどうかしてたの?」

目の前にいたのは私の両親だった
でも本当のじゃない。

「ううん…昔の夢を見てたの。…懐かしいな。また寝たいから一人にしてくれるかな?」

私がそう言うと、「そう…」と言って部屋を出て行った


私は、小さい頃…4・5歳くらいの時に事故にあった
お兄ちゃん達のサッカーの試合に行く途中に雪崩にあってしまったんだ
その事故のときに私しか助からなかったそうだ
本当かどうかは知らないけど…
でも、それから私の「雪崩」って名前が大嫌いになった
元々女の子につける名前でもないしさ

そのあと私は孤児院に入ったけど、今の両親がすぐに引き取ってくれたの

ああ、そう言えば私の入院している理由を話してなかったね
その時の後遺症で何か頭に異常があるみたい
それからは何かもやっとしたものが見えるようになったんだ
あれは幽霊なのかな?

「雪崩。起きてるか?」
「うん。」

そういってお父さんははいてきた

「昨日、雪崩が大事な話があると言ってただろう?」
「うん」
「大事な話だったら速いほうが良いと思ってな。で、なんなんだ?」

私は家族が死んでしまったときから考えていたことを言った

「お父さん。これから、私を男の子として育ててくれませんか。」
「…なに…!?」
「お願いです。もしそれを許してくれるのであれば、私は雷門中に行こうと思います」

雷門中は前にエイリア学園とか言うやつらと戦っていて、その仲間の中にスノーエンジェルを使うやつがいるらしい。
スノーエンジェルは前に兄ちゃんたちと練習してた技だ。
だから、その人を探すためにまずは雷門中に行きたい。

「……分かった。今までわがままを言わなかったお前が初めて言ったわがままだ。きっと母さんも許してくれる」
「…!!!ありがとう。わがままを聞いてくれて」

私は薄く笑って、

「はやく…会ってみたいなぁ。……あ、そうだお父さん!いつ退院出来るの?」
「ああ。はやく検査が終わったみたいでな。明日のお昼には退院出来るそうだ。」
「そっかぁ〜♪…楽しみだなぁ♪」

私はただ待っているのが嫌だったので、中庭で男の子達とサッカーをして遊んでた

5時くらいになったら男の子達と別れて、
ナースさんにミニキッチンを借りても良いかと聞いた。
その時、ビスケットが食べたかったんだけど、購買に売ってなかったから。
ナースさんはすぐにokしてくれたから良かったんだけど…

「ねぇねぇ。おねえちゃんは何作ってるの?」

焼いてる時に小さい子が4人くらい集まっていた。
でも髪の毛降ろしてるからやっぱり女の子に見えちゃうんだなぁ

「ちがうよ。わた…俺はお兄ちゃん。男だよ。」
「そっかぁ。で、お兄ちゃんは何作ってるの?」
「ん?今ビスケット作ってんの。食べる?」

そう言うと小さい子はパァァァと明るくなって、

「「「「食べる!!!!」」」」

と言った
お菓子をあげた子の名前を一人ずつ聞いた。
中でも気になったのは、夕香という子だ
夕香ちゃんには雷門中にお兄ちゃんがいるらしい。
修也というらしいが、私は全く知らなかったので
夕香ちゃんの話をずっと聞いていた。

「へぇ〜。夕香ちゃんのお兄ちゃんはカッコいいんだね〜」
「うん!!それでね?お兄ちゃんが…あ!お兄ちゃん!」

夕香ちゃんはそう言うと一人の男の子の方へ走っていった
最初の印象は、「らっきょみたいな髪の毛だなぁ」だった
え?だって似てない?

「お兄ちゃん!このお兄ちゃんね!明後日雷門中に入るんだって!」
「へぇ…。あぁ、夕香の世話をしてくれてありがとう。名前は?」

そう言えば名前を考えてなかった。
だってもし雷門中にお兄ちゃんがいたらバレちゃうし。
ん〜…どうしよう…
ゆ…ゆう?……悠!!

「俺は悠っていうんだ。」
「ふーん…なんか女みたいだな。顔とか。」

え…!
どうしよう…バレちゃまずい!!

「そうかな?まぁ確かに俺はよく女に間違われるんだけどね」
「そうか…それとどっかで会ったことないか?見たことある様な顔なんだけどな…思い出せなくて…」

こ…こいつ妙に鋭い!!
でも、私にそっくりなのって…
もしかしたら本当に敦也お兄ちゃんか士郎お兄ちゃんがいるのかも!

「あぁ!そうだ。吹雪ににてるな。」

吹雪ってどっちの!?

「吹雪って…したの名前は?」
「吹雪士郎って言うんだけど…もしかしてお前の名字も吹雪とか?ハハッそれはないか。 なかなかいない名字だもんな」

あぁ…
そっかぁぁ……
士朗お兄ちゃん…生きてたんだ。
でも…士朗お兄ちゃんだけってことは…
敦也お兄ちゃんは本当に…死んじゃったんだ…

…でも、そんなに落ち込んでもいられないしね。

「俺の名前、吹雪って言うんだ!ビックリだよなぁ!なかなかいないと思ってたのにな」
「そうなのか?まさかほんとだとは思わなかったんだが……」

そんな感じで修也と話してたら、お母さんがきた。

「明日退院なんだから身体冷やしたらだめよ。そろそろ部屋に戻りなさい」

って言われた。
もうちょっと修也と話してたかったけど、わがまま言ったあとだからしょうがない

「じゃぁ修也!明後日な☆」
「ああ。楽しみにしてるぜ」

そう言って俺は修也と別れて部屋に戻った