二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: DR!!___終焉、それは始まりの如く ( No.2 )
日時: 2011/01/27 16:53
名前: 終 (ID: 58y6MThT)

———Story that reported starting.


「『キング』」

「あぁ」


『キング』と呼ばれた少年は、古く錆び付いたパイプ椅子から立ち上がった。
そして深呼吸を一つすると光を宿した瞳を向ける。


「よく聞け。俺はお前等を巻き込もうなんて思ってねぇ。だが、俺のアソビに付き合ってくれるっつーなら別だ」


そう『キング』と呼ばれた少年が告げると数十人、いや、それ以上の数の少年達が歓喜交じりの歓声を上げた。
その歓声を聞いた少年は、口角をつり上げ笑う。
そして、


「そーか…んじゃ、我が侭一切なしでいこうぜ。俺の下で動いたならわかるだろ。カラーギャング『Break』の鉄則を」


高らかと言うと、数十人以上の少年達から、


「『キング』の言葉は絶対命令」


と野太い声が廃工場に響きわたった。

その時、ガラララッと廃工場の扉が開かれた。
少年達の目線がそこに集中する。

その扉を開けたのは、そこらの少年とは違い華奢な体つきをした少女だった。


「お疲れ様です——『クイーン』」


再度少年達の野太い声が広がる。
『クイーン』と呼ばれた少女は無言で少年達があけた真ん中の通路を通り『キング』と呼ばれた少年のもとに近寄る。


「おかえり、『クイーン』」

「その呼び方やめろ」

「ははっ悪ぃ。まぁ、おかえり。そして、ご苦労さん——七」

「ただいま——懐」


それだけ言うと、七と呼ばれた少女は古臭いソファーに座った。
懐と呼ばれた少年は静まり返った廃工場で静かに告げた。










「今度のアソビは——『黄巾賊』だ。そして標的は『紀田正臣』」










それだけ言うと、懐は静かに闘志を燃やした。
疼く復讐の炎を胸に秘め。

廃工場の窓の外ではしとしとと激しさを増す雨が降っていた。


Fin.