二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: DR!!___終焉、それは始まりの如く  オリキャラ募集中 ( No.4 )
日時: 2011/01/27 19:04
名前: 終 (ID: 58y6MThT)



———lost pain.


ゴキリと何かが折れる音が響いた。
絶叫に近いような叫びが懐の耳を通り抜ける。


「うるせぇな…」


懐はそう呟き、地面にのた打ち回る三人くらいの男を見下した。
一人は鼻から血を流し涙を流している。
一人は頭から血を流し失禁している。
一人は左腕が可笑しな方向へ折り曲がり喚いている。

懐の周りの連中はただその悲劇を静かに見ていた。

誰がこんなことをやったのか——
第三者が見ればこんな疑問が浮かぶだろう。

無論この悲劇を齎したのは『Break』の『キング』と呼ばれた少年だ。
真っ白なワイシャツは所々赤黒い血がつき、拳からは相手の血か自分の血かわからないが滴り落ちている。


「なぁ、いい加減話してくれよ。俺は別にお前等を殺そうだんて思ってはいないんだって」

「あァ…っ」

「……使えねぇなぁ」


懐は軽く舌打ちをすると、辛うじて意識がある男の腹部に蹴りをいれた。
その瞬間、血混じりの吐寫物を撒き散らす。

懐は意識を失っている男の首元に巻かれた黄色のスカーフを剥ぎ取る。


「何が黄巾賊だ…だたの馴れ合いにすぎねぇじゃねーか…」


スカーフを持つ手に力が篭る。
懐は奥歯を噛み締めて、その手を離した。


「俺が今すぐぶっ壊してやるよ…なぁ、正臣」


地面に落ちたスカーフを踏みつけた。



♂♀



同時刻、某事務所。


「『Break』ねぇ…」

「『Break』…?あの最近出来たカラーギャングのことかしら」

「知ってるんだ。うん、そうなんだよ」


そう恍惚に告げると、臨也はまだ温かいコーヒーを口に含んだ。
苦味と少量の甘味が口に充満する。


「で、それがどうかしたのかしら?」

「ん〜最近目立つようになってね。ほら、外見てみな」


そう言うと、臨也は窓の外を指差した。
波江も窓に近づく。


「ほら、よく見ればわかるだろ」

「もしかして…——あの『チェーン』のこと」

「さすが波江。正解」


もとはカラーギャングは色を元にした集まりだ。
だが、一種では物や言葉などの集まりもある。

『Break』と言うのは、鎖言わばチェーンを身につけて集まる集団だ。


「黄巾賊以来ガラの悪い連中が出来たものね」


そう吐き捨てるように言うと、再度仕事を始めた。


「俺は面白そうな予感がしてたまらないよ」


囁くように呟けば、手元の資料に目を移した。









「ねぇ、英くん」









手元の資料には『英 懐』と文字が書かれていた。


Fin.