二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 闇染まり〜吹雪の闇〜 ( No.173 )
日時: 2011/03/14 17:31
名前: 吹雪 (ID: nvLkUcGh)

『23』

 「いくぞ立向居!うおおお!」
 
 ドシュッ!

 染岡の放ったシュートは立向居をかわし、悠々とネットに突き刺さる。
 昼過ぎ、彼らは練習に励んでいたのだ。

 「まだだ!いくぞ!」
 「は、はい!」

 ドシュッ!

 「くそっ!」

 ドシュッ

 染岡何度も何度も続けてシュートを打ち込む。立向居はとめられなく、すべてゴールに突き刺さっている。なのに染岡は悔しげな顔のままだ。

 「染岡、いったいどうしたんだろう?」

 風神ペンギンの練習にいそしんでいる、風丸は汗をぬぐいながら、染岡をみていた。
 染岡の悔しげな表情は何度も見てきた。力が及ばずあせっているとき。豪炎寺よりも強くなろうとしていたとき。吹雪にかなわなかったとき。FFIの代表に選ばれなかったとき。
 今の表情にはどれでもない感情が混ざっていた。風丸はその染岡も表情が少し不思議に思えた。



 
 そのころ久遠は自分の部屋で携帯で電話をしていた。日が傾き、部屋はだんだんと薄暗くなる、そんなころだ。

 「イナズマジャパンの代表の吹雪士が帰ってきていないんですが・・・。えっ?」

 電話の相手は誰かはわからない。

 「そうですか・・また連絡します。ではよろしくお願いします」




 「ふぅ〜今日の練習おわったな」

 練習が終わり、一同は宿舎に入っていくところだ。

 「みなさ〜ん、すぐに降りてきてくださいね〜」
 音無の声は宿舎によく響く。

 「円堂、あの技結構進んでるな。エジプト戦には使えそうだな」

 鬼道は円堂に話しかける。

 「ああ、すごくいい手ごたえを感じてる。完成までもう少しだ」

 円堂の技も好調のようだ。

 「風丸たちも、完成間近だな」

 円堂は横でタオルで汗をぬぐっている風丸に声をかけた。

 「ああ、あとはどれだけ威力を増せるかどうかだ。染岡たちは・・はっ」

 風丸は言いかけて止めた。吹雪がいない今、技なんてつくれないのだ。
 染岡はこちらをみたが、悲しげななきそうな作り笑いを浮かべるとうつむいて階段を上っていってしまう。

 「吹雪がいなくなって染岡も狂ってる」

 風丸はいう。

 「染岡は吹雪との連携が一番合っていたんだろう。」

 なんとかならないのか、と鬼道はいうが、どうしようもないのだろう。