二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 闇染まり〜吹雪の闇〜 ( No.184 )
日時: 2011/03/21 14:01
名前: 吹雪 (ID: nvLkUcGh)


『27』の続き



円堂の必殺技は鬼道たちのシュートをとめることができるようになっている。

 「よしっいける!真実の熱拳!」

 こぶしをぐっと握る。そして真っ赤な空を見上げる。
 
 絶対に世界一になってやる!

 
 「ん?」

 空を見上げていた円堂はふと視線を感じた。人の気配だ。
 だが、このグラウンドにいるメンバーではない。
 あたりを見回すとグラウンドの塀の陰にだれかいる。
 その影が動き、その人の白銀の髪が見える。円堂は目を見張る。心臓が自分でもわかるように鼓動しているのがわかる。

 「え・・・まさか・・」

 
 その影はゆっくりとグラウンドに入っていく。
 夕日で逆行のせいか顔は見えない。だが確実にそうだった。

 
 「吹雪・・・?」


 だれかがそうつぶやいた。いや円堂だった。
 そんなのは染岡にとってどうでも良かった。
 吹雪が帰ってきたのか?

 
 その影はゆっくりと円堂に近づく。
 夕日はその人の影に入り、彼の姿が現れる。
 円堂は驚きの表情から笑顔にかわっていく。ほかのメンバーは遠目で吹雪たちを伺っている。

 「吹雪!」

 白銀の髪に刻蒼の少したれている目。間違いなく吹雪士郎だった。
 
 「はは!帰ってきたのか!」
 「キャプテン・・・」

 いきなり抱きついた円堂に困惑しながらも吹雪はいった。円堂は何も気にしてはいない。昨日の会話も何もかも。ただ吹雪との再会をよろこんでいるのだ。

 「吹雪さん!」
 「吹雪!」

 円堂を引き金にメンバーは集まってきた。
 ベンチ付近ではマネージャーは微笑んでいた。
 
 「吹雪くん・・・」
 「一息ですね・・」
 「よかった。無事で・・」

 その中で渋面を作っているのが、豪炎寺と鬼道、そして監督だった。
 そして染岡もまた吹雪の輪に入ってはいなかった。

 「吹雪さん、大丈夫なんスか?」
 「うん、大丈夫。ごめんね」

 吹雪は笑って見せた。だが鬼道たちにはわかった。それが作り笑いだと。

 「どういうことだ?」

 鬼道は輪に割ってはいると吹雪にたずねた。メンバーは静まる。

 「この三日間、なぜ練習に出ず宿舎にも帰ってこなかった?」
 

 吹雪は困惑の表情を浮かべる。
 鬼道の表情は吹雪を逃げさせないそんな威圧感があった。
 周りのメンバーもそれが一番知りたい。
 誰もが黙っていた。
 吹雪はしばらく考えるようにうつむく。
 誰も言葉を発さない沈黙が流れる。
 
 「そ、それは・・・」
 「そこまでだ!」

 声に振り返ると、久遠監督がいた。

 「今日の練習はここまでだ。集合しろ!」

 久遠はいう。

 「久遠監督、吹雪が帰ってきたんです。」
 
 鬼道はいった。続いて豪炎寺もいう。

 「吹雪がここまで帰ってこなかったことは異常です。ですから・・」
 「いいから集合しろ!」

 久遠は強い口調でいう。
 みなぞろぞろとベンチ前へ移動する。その途中で綱海は壁山相手に話す。
 
 「吹雪が帰ってきたってのに冷めてぇな!監督さんはよぉ〜」
 「そうッスよね!ねぇ染岡さん!」

 そういって染岡の方を見るが、染岡は黙ったままだ。

 「染岡・・・?」

 染岡の隣にいた円堂は染岡を伺う。そして吹雪を見やる。
 どうしたんだろう。二人とも・・・