二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 闇染まり〜吹雪の闇〜 ( No.240 )
日時: 2011/04/05 19:34
名前: 吹雪 (ID: nvLkUcGh)



『40』


 「宇都宮、マネージャーに手当てを受けろ」

 久遠は静かにいった。

 「・・・。わかってたんですか・・・」
 「虎丸くんっ足!」

 木野は虎丸の足のレガースのあたりが腫れ上がっているのを見て愕然とする。

 「どうしてこんな・・」

 木野が虎丸に問うと、虎丸は悔しそうな顔をしていった。
 「飛鷹さんたちとぶつかってたんです」






 
 『両選手コートに入りました。』
 



 アメザントのメンバーがコートに入ると再び、真っ黒い雲で覆われた空はうなりをあげ始める。

 「また降り出すでしょうか?」


 ゴロゴロ・・・

 
 しだいに大きくなっていく雷音に肩をビクッと振るわせたのは吹雪だった。
 そして、その様子を心配そうに見つめるのは木野だった。
 後半がはじまってからずっと吹雪はベンチで両肩を抱いて、一言もしゃべらず、真っ青な顔をして震えていた。
 吹雪君はまだ、なだれが怖いんだ。
 この雷鳴が雪崩の音に聞こえてるんだ。

 
 「吹雪くん・・」

 私だって雷鳴の音は好きじゃない。でも、吹雪君はこの音を聞くと過去の出来事が鮮明に思い出してしまうんだ。これはトラウマとして吹雪君の記憶に永遠に残されるんだろうか。






 ピィィィーー!!

 
 笛が鳴り、イナズマジャパンのボールで試合は再開した。
 雷鳴が轟き、雨や風が音が鳴るぐらい激しくなる。
 嵐が去ったと思えば、ボールが円堂もろともゴールしていた。これで7対0.
 雷鳴と共に再開の笛が鳴れば、また、コートは容赦なき風。雨。水煙でゴールからはアメザントのメンバーはおろか、イナズマジャパンのメンバーさえ見えなかったのだからベンチにいる者たちにはコートが風の壁に包まれたように見えただろう。

 ピッシャン・・ドォォオン!!


 雨はすざましさを増し、雷の音も大きくなる。
 

 『あらし・・・すご・・ことと・・なっております・・・見えません・・!!』

 実況の音も風で消されるほどだ。



 
 
 「なんでこんなすごい風がおこるんだ?必殺タクティクスなのか?・・うわっ」

 容赦ない風を手で顔を防ぎながら綱海は疑問を口にする。

 「必殺タクティクスじゃないさ」

 横から声がし、見るとミッドがいた。ミッドもずぶぬれだが、そこまで苦痛の顔つきではない。どちらかといえば、吹いてくる風をたのしんでいるようにも綱海には見えた。

 「はっ?」
 「アイラはレインコールだからさ」
 「レインコール?うわっ!!」

 綱海は風に吹き飛ばされ、後ろに倒れる。








 「試合はどうなっているんですか?」
 「わからない。風がフィールドを覆ってるみたい」
 
 音無と冬花が見つめているのは風で覆われているフィールドだ。