二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 闇染まり〜吹雪の闇〜 ( No.38 )
日時: 2011/02/13 13:28
名前: 吹雪 (ID: nvLkUcGh)

続きすぎたのでまとめます↓




『12』

 「ここまで来てなにを話そうと?」
 
 吹雪は前を歩いて一度も振り返らないアイラに問うた。が返事は返ってこない。前に歩み続けている。
 エントラスエリアのとある川のほとりに来ていた。そこには古風な橋が架かっており、周りにあまり人はいない。彼らがいても多分誰も気にはとめないだろう。先ほどいたコートは遠くに見える影程度だ。
 彼らがここに来ることになったのは数十分前のことにさかのぼる。
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 「ここじゃせまいから向こうでやろう」
 
 そうリブスがいい、みなリブスについていく。吹雪もついていこうとすると後ろからアイラに呼び止められたのだ。

 「吹雪士郎、お前はこっちだ。」
 「? なぜ?」

 円堂たちはどんどん遠ざかっていく。気づいていないようだ。

 「こっちだ、こい」

 そういって逆の方向に行ったのである。

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 「キャプテンと離していったいなにを話そうと・・・」
 「・・・・」
 
 何を問うても無言だった。

 「僕と何か関係あるの?」

 その言葉がアイラに揺らいだかのように橋の前でアイラは足を止めた。

 「本当に・・・」

 アイラは吹雪に背をむけたままつぶやいた。

 「本当に覚えていないんだな。まあ、仕方の無いことだ。」

 そういってくるりと吹雪に振り返った。ここで話をするようだ。

 「覚えていないことが仕方の無い?」

 アイラの言ったことひとつひとつをゆっくりかみ締める。

 「ああ、一度戦ったことがあるんだ。士郎。いやお前たちと」
 「お前たちってイナズマジャパンってこと?」
 「いや違う。そんな時期よりずっとまえ・・」

 アイラは空を見上げる。懐かしそうな目をしている。アイラの言葉に悪意はない。

 「8年・・いや9年かな・・“お前たち”は本当に強かった。俺はあの決勝を、負けたとき悔しかったなあ」

 そしてもう一度吹雪を見つめる。

 「決勝?お前たちってまさか・・アツヤと僕こと? じゃあ決勝っていうのは・・・あのときの・・」

 吹雪の脳裏のよみがえったのは本当のアツヤと一緒にした最後の試合。その日はものすごい猛吹雪だったが、奇跡的に試合のときだけは一時的に晴れていた。決勝のときにグラウンドのコートの真ん中でキャプテン同士が最初の握手をしたとき見たキャプテン・・

 「おもいだしたか?」
 
 目の前に居るアイラをみてそのときの記憶がどんどんよみがえってくる。

 『それではキッズ冬季フットボール大会決勝戦。両者握手してください』

 審判の言うとおりに握手する。

 『よろしくね、僕は吹雪士郎。』
 『藍羅(アイラ)、平波(へいなみ)藍羅。よろしく』
 『俺は吹雪アツヤ。みてろおまえのゴールに点をいれまくってやるから!』
 
 後ろで挑発していたアツヤの声も思い出す。
 確かあの試合、かなり最後まで競ったはずだ。5−4ぐらいだった。

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 「平波藍羅・・アツヤがいたころの・・試合相手の!」
 「やっと思い出してくれたな。まあ今は両親の関係で名字が変わってアイラ・グリフだからな。チームにお前と話がしたくてわざと勝負を申しかけてもらうよう言っておいた。だから言ったろ。おもいださなくても仕方ないって。お前にとっては昔過ぎる。それに・・」

 ゆっくりと吹雪から視線をそらす。

 「あのあとあんま思い出したくないこともあったし・・」

 もちろん雪崩のことをさしている。

 「あの時、結構悔しかったんだ。お前にとってはあまり思い出ではないかもしれないけど・・。FFIには登録さえできなかったからさ・・せめてもう一度だけ勝負したかった。」

 吹雪はふと疑問だったことを口にした。

 「FFIにでれなかったってどうして?」
 「エジプトでメンバー集めにとまどってな、登録期限に間に合わなかった・・・だけど、どうしても世界の奴らと戦いたくてな。ここまできた。」
 「・・・・」
 「自分たちの実力も確かめた。イギリスやアルゼンチン、アメリカにスペイン、イタリアと戦って全て勝った。」
 「!! ブラジルは?」
 「あそこともやった。結構強かったが、勝った。コトワールとは試合を断られたけどな。あとはイナズマジャパン。おまえたちに勝ちたいんだ。たとえFFIでなくとも!」
 「藍羅・・・」
 「お前の実力が知りたいんだ。2人じゃなくても・・今、どっちが上かなんてわからないだろう?」

 ドオーーン

 遠くのほうで地鳴りに近い音が聞こえた。

 「!?」
 「そろそろ終わったみたいだな勝負のほうも・・・」

 藍羅は遠くのほうを眺めている。

 「話が出来てよかった。試合楽しみにしてる」

 藍羅は背をむける。

 「・・・」
 「そうだ」

 藍羅は止まるとゆっくり振り向いた。
 
 「お前は狙われている。試合にどんなことがおきるかわからないから気をつけろ」


 彼はまた背を向けだんだん遠のいていった。











変な関係(!?)ですみません・・・