二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 視えない、聴こえない——【イナイレ】 ( No.7 )
日時: 2011/01/30 16:00
名前: 薔薇結晶 (ID: 9QYDPo7T)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/1467097.html

第1章 「彼女と出会った」




「ちょっと…ディラン!いつまで待たせる気なのよ…!!」

「お、落ち着け、ジュリア…。」


ジュリア・クラウン。
マーク・クルーガー。
アメリカを代表する、少年サッカーの選手だ。
もっとも、ジュリアは少女だが。


「ソーリー!ジュリア!マーク!!」

「「遅いっ!!!」」


そう、ディランを待っていた。
遅いのだ、とても。


「カズヤとアスカを待たせてるのよ!?何してたの!?」

「道に迷った。」

「…私よりアメリカに居る貴方が迷う訳…?まぁ、いいわ。急ぐわよ。」

「(おとがめなしとは…助かったな、ディラン。)」

「(イエス!)」


























「あっ、来た来た!お〜いっ!!」


と、一之瀬。


「ごめんなさい、カズヤ。ディランが…ね。」

「だと思ったぜ。ディランは遅刻の常習犯だしな!」


と、他愛もない会話をしている時だった。



「おい、どこ見てんだよ!」

「ぶつかったら普通謝るだろ?お嬢ちゃん?」


どうやら、車いすの赤い髪の少女が男性のグループにぶつかったようだ。
だが、少女は返事もしない。
ただただ、おどおどしていた。


「…どうして女の子は何も喋らないんだ…?」

「そうだな…。」


と、一之瀬とマークが言う。
ハッとしてジュリアが。


「もしかして…聴こえないんじゃない…?」

「でもぶつかったのは聞こえなくても分かるだろ。」

「そして…視えないなら理由は分かるでしょ?」


そして5人は少女の方に走って行った。




「ちょっと待ってください!」


と、一之瀬。


「! こいつは…。」

「カズヤ イチノセ!?」


一之瀬はアメリカでも有名人。
男性グループも知っている様だ。

ジュリアは少女に駆け寄り、自分の右手を少女の左手に握らせた。
そして、動かした。


「ジュリア?」


と、マークがジュリアに問いかける。


「何をしてるんだ。」

「触手話って言うの。全盲者によく使われるのだけれど…通じるかしら。」


ジュリアが手を動かしているのに少女は気が付いた。