二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ONE PIECE】 光の軌跡、双子の奇跡 ( No.51 )
日時: 2011/02/14 20:22
名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)
参照: 左手が負傷して動かないと右手も動きにくくなった、どゆこと←


<<эпизод 8>>

           -リナリアの罠-


翌日の朝。

「ちょっと!! じっとしときなさいってば!」
「無理だよ! てかアタシにさわんなあああああッ!」

朝からナミとトーマが、自室でギャーギャー揉めている。
ユーマはクスクスと外で笑っていて、サンジは二人の為にお菓子を作ってるらしい。
ゾロは寝ていて、ルフィとウソップは釣りをしていた。
少しばかり時間が過ぎた後、ナミとトーマが出てきた。

いつもとは違う格好で。

「いつまでもあんな服装されたら嫌だから。 それから、髪がうっとうしかったから結んどいたわ」

トーマの銀色の髪は旋毛らへんから黄色のリボンで結ばれていた。 下につくくらいだった髪は、膝くらいに落ち着いたらしい。
ボロボロの薄汚れた服は、綺麗な水色をしたワンピースと、裸足だった足は黒く長いブーツを履いていた。

「ユーマ、アタシあーゆー積極的な女嫌い。 ユーマでいい」
「トーマは男女問わず俺以外に心開かないじゃないですか。 俺も嫌いだけどな」

ユーマが敬語をやめ、ぼそっと悪態をつく。

「なんですって?!」

ナミに届いていたため、ユーマに殴りかかるが、

「ふふ、冗談ですよ」

ユーマの右腕によって止められる。
ここから見れば、ナミとユーマがトーマを取り合っているように見えなくもない。

「うっせえんだよ! 静かにできねぇのか!!」

ゾロが起き上がって怒鳴る。
さっきまではこんなうるさい中でぐっすり寝ていたくせに、とユーマは思うのだが。

トーマはむっと眉根を寄せ、ゾロの許へと歩いていく。
足を伸ばしたまま身体を曲げ、座っているゾロの顔の前まで自分の顔を持っていき、怒ったように言う。

「言っておくけど、アタシまだ君の事許してないんだから! 君が一番嫌いなんだよ!!」

それだけ告げてルフィ達のところへ去っていってしまった。
ユーマはナミとクスクス笑っている。 ゾロは全然気にしてないようだ。
ナミがふと、ユーマの首筋をまじまじと見だした。

「あら?? あんたにはないのね」
「何がですか??」
「痣、とは違うみたいだけど何か変な模様があの子にあったのよ。 髪を上げる時に見かけたの」

それを聞くと、ユーマは少し顔を背けた。
正確には上を見上げたのだが。

——次の島には、きっと……

ユーマの背筋が凍るようにゾクッと震える。
ゾロはさっきの口論からずっとトーマを見ていた。
そして、サンジも厨房から出てきた。 両手に甘そうなケーキを持って。
ユーマはケーキを持ってきたサンジのハートの目を見ながらクスクス笑う。

「ナミすわぁーん、トーマちゅわーん! イチゴのケーキ持って来ました」
「あら、ありがとう」

サンジはナミにケーキを渡す。
ユーマはそれを見て、またクスクス笑い始めた。

「おめえに作ったんじゃねえぞ」
「いえいえ、いりません。 ただ、トーマは甘い物嫌いですよ??」

ユーマがそういえばサンジの目のハートがバリンッと割れた。

一方トーマはルフィ達の釣りを鑑賞していた。
バケツの中に入っているのは、どれも小さな魚ばかり。
トーマはバケツの中と海の中を交互に見比べ、大きい溜息をついた。

「どれも小さいね、もっと取れないの??」
「竿だからなー……、取れる魚も限られるんだよなー」

ウソップが愚痴を零すように言う。
トーマは何かを思いついたように手のひらをパンッと合わせた。

「のびのびくん、君、海の近くまでアタシを持っていってくれない??」
「おお、いいぞー!!」

“のびのびくん”と称されたルフィは後ろから覗き込んでいたトーマの腰を持ち、腕を伸ばして海上近くまで持っていった。
そして、トーマは海上に指先をつけ、電撃を流す。
すると海の中で電撃により痺れた魚たちが浮いてきた。 中には最上級の大きさの魚もいる。

「「すっげー!!」」

ウソップとルフィは目を輝かせている。
トーマを船に上げ、ルフィは腕をぐいぐい伸ばして魚を取っていく。

「次の島が見えてきたわよー!!」

トーマは聞くなり自分の部屋に戻り、“何か”をかばんから取り出した。
それを上に上げて透かすように見上げる。

「もうすぐ、なのかなぁ……おにんぎょーさんとコータイするの。 アタシ疲れたっぽい」