二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ONE PIECE】 光の軌跡、双子の奇跡 ( No.57 )
日時: 2011/02/14 22:37
名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)
参照: 左手が負傷して動かないと右手も動きにくくなった、どゆこと←



<<эпизод 9>>

           -戻りたいのと戻れないのは訳が違う-


新しい島、ルーンドモーデ島に着いたルフィ達一行。
トーマは何故か、

「あーぁ、かったりぃな。 どっかに剣とかねぇのかここは」

ゾロと一緒に町を探索していた。
トーマ本人はユーマと回る事を希望していたのだがじゃんけんで決まった為、言い出せなかったのだ。
じゃんけんでゾロと一緒のものを出した時からずっと機嫌が悪い。

「おい、何してんだよ。 さっさと行くぞ」
「分かってる、けど」

きっと単純なゾロの脳内ではただ機嫌が悪いとしか分かってはいないと思うが、変なのだ。
色々と。 周りの空気とか、人々の様子。
澱んだ空気で、思いっ切り吸い込んでしまうと咳き込んでしまう。
人々は怯えたような素振りで町を徘徊している。
気味が悪いのはそれだけじゃない。

おかしいのだ、磁力が。

トーマが電気を発しても傍にある砂鉄が寄ってこない。
いや、寄ってこないのではなく、もっと大きな電気に引き寄せられているのだ。
その所為か、さきほどから地面が少し動いている。

「あれれぇ、誰が来たのかと思ったらお嬢さんじゃないかい♪」

周りの人々はビクッと肩を震わせ、トーマとゾロを残し一人残らず去っていった。
陽気な高い声は次第に近づいてくる。
ゾロの後ろに一瞬黒い影が来た。

「君、後ろ……!!」
「わぁってる!」

ゾロが剣を一本抜き、後ろの影に向けて斬りかかる。
だが、居たと思っていた後ろには誰の姿もなく、ゾロの剣は空振りしただけだった。

「お嬢さん、何してんの♪ 小生達の研究所から抜け出してお友達ごっこかぁ、いいね♪」

ゾロとトーマの間に白いシルクハットにモノクロのスーツにズボン、真っ赤なネクタイの格好をした人物が降り立った。
左目の下には信号の三色をしたダイヤの模様が描かれている、笑顔の中世的な顔立ちをした男だ。

「でもさぁ、小生相手に二人は厳しいんじゃない♪」

一度宙返りをして、トーマ達から距離をとった。
彼はスーツから拳銃を取り出し、二人に向けて構えた。
そして、ズボンのポケットの中から“何か”を上に放り投げ、二人に向けていた銃口を“何か”に向けた。
ゾロはその“何か”の正体が分かったのか、焦った顔をしてトーマに告げる。
ゾロとトーマの間には随分な距離があり、間に合わないと判断したんだろう。

「もう遅いさ♪ まーたお休みっていう感じかなぁ♪」

引き鉄をひいた。

「グッバーイ♪」

引いた瞬間に少しだけ目を細め、彼は舌打ちをした。
心臓とか程遠くの位置、右足の臑に銃弾が打ち込まれた。
だが、それでも相当なダメージを負った。

「いぎいいいいい」
「……ッ、めんどくせぇっ!」

ゾロはトーマの許へ走り出した。
途中、彼が近づくのを防ぐ為か地面を剣で斬り、破片が彼に襲い掛かる。
拳銃しか持ち合わせていなかった為、対応が出来ないみたいで大分苦戦している。

「おら、行くぞ、ルフィ達のとこに!!」

トーマを抱き上げ、そのまま真っ直ぐに進む。

「ちょ、右右! そっち違うよ」
「ややこしいな……ッ」
「全然ややこしくないよっ?!」

ゾロの方向音痴振りをしらないため、少しだけ焦る。
彼は破片を全部避けた後、誰も居ない事を確認し、誰かに通話をする。

「もしもし旦那ぁ、逃げられちったよ♪」
<<ばかが……>>

声は大分低く、男のようだ。

「だぁいじょーぶだって、別に焦るこたぁないさ♪」
<<てめぇがしっかりしてたら俺だって焦んねぇよ>>

呆れたような声色で男を叱る。




「それにしてもホント大きくなったよねぇ、お嬢さん♪」
<<あぁ……そりゃそうだろ>>















トーマは思う。


——バレたら、





















もう、きっと、       ……いや、絶対に、


























































彼らにも自分にも、明日は来ないだろうと。