二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 〜参照600突破!?〜 ( No.106 )
- 日時: 2011/04/23 23:40
- 名前: 桜花火 (ID: /HyWNmZ0)
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33 初めての友達
夏未を連れて、女はある国へ向かった。
森を出たら、すぐにそこは見える。
—そこが、フェアリー王国だったのだ。
夏「ここ、どこぉ?」
小さな夏未は女を見上げる。
?「ここはフェアリー王国っていう国なの」
夏「こわくない?」
夏未は握っていた手をぎゅっとした。
女は優しく笑いかけながら答える。
?「怖くなんかないわ。すっごく、いい場所よ」
夏「わたしのこと、きらったりしない?」
?「大丈夫よ、それに、すぐに『いいお友達』ができるわ」
夏「おともだち?」
?「着けばわかるわ」
そういうと、女は夏未にもう一度笑いかけた。
二人は城下町に入った。
城下町はものすごく賑やかで、夏未は少し驚き、女の背後に隠れる。
すると、女の姿を見た、野菜を売っていた男性が話しかけてきた。
男「やぁ、—さん、その子はどこから連れてきたんだい?見かけない顔だけど…」
?「ちょっと、いろいろありまして…」
男「そうか、お嬢ちゃん怖がらなくても大丈夫だよ。この国の人は皆優しい人だからね」
夏「……」
?「では、また」
男「ちょっと待ってくれ、よしっ、これ持って行け!」
男の人が袋に入った野菜を投げた。
女は受け取ると、礼をいい、そのまま、まっすぐ突き進んでいった。
少し歩き、二人はある家の前で立ち止まった。
夏「なぁに?これ」
?「家よ、夏未ちゃんはここで一緒に私と暮らすの。ダメかな?」
夏未は頭を大きく横に振った。
夏「あの暗い場所よりはいいから…」
女は扉を開ける。
部屋の中は至って普通。
しかし、散らかってはおらず、すべてのものが綺麗に片づけられていた。
中に入り、女はキッチンに向かった。
手を離された夏未はどうすればいいのかわからなず、その場で立ち尽くしていた。
それを見た女は、キッチンから顔をだし、人差し指で椅子の方指す。
?「適当に座っていいよ〜」
夏「…」
夏未はそのまま指示に従った。
しばらくして、女はキッチンから三つのマグカップを待ってきた。
中にはコーンスープが入っている。
?「はいっ、飲める?」
夏未は小さくうなずく
?「口に合うかどうかは分からないけど、飲んで、温まるから」
夏未は恐る恐るそのスープを一口飲み込んだ。
飲み込むと、夏未の顔に笑顔がこぼれる。
夏「おいしい!」
?「そう、よかった」
夏「でも、なんで三つあるの?」
?「あぁ、それはね (コンコン) おっ、噂をすれば」
家の扉の向こうから、小さな戸を叩く音が響いた。
女は立ち上がり、扉を開けた。
開けると、一人の少女が現れた。
夏未と同じくらいの小柄の子
—『冬花』だ。
冬『こんにちは、—さん!!』
?「姫、また一人で来たの?」
冬『うん!だって、この国の人優しいから大丈夫だよ!』
?「お兄ちゃんには言ったの?」
冬『うん、言ってあるよ』
?「そっか、じゃあ、コンスープできてるから飲む?」
冬『わ〜い、私、—さんの作るもの大好き!!』
『冬花』は家の中に入ってきた。
椅子の上にいた、夏未は少し身構える。
そんな様子を見た『冬花』はキョトンとした。
冬『だぁれ?』
?「さっき、別の国から来た夏未ちゃんって、言うの。仲良くしてあげてね、姫」
冬『そうなんだ!あのね、私、冬花って言うの。よろしく、夏未ちゃん』
夏「……私の事、怖くないの?」
冬『どうして怖がるの?全然怖くなんかないじゃん』
夏「私、髪とか目とか赤なんだよ?」
冬『もしかして、自分の事嫌いなの?』
夏未は俯きながらうなずいた。
『冬花』はまたも首を傾げる。
冬『私……きれいだと思うよ?その髪とか、目とか』
夏「えっ?」
冬『だって、かわいいじゃん。似合ってるし…それに髪の色が赤だとか関係なく、私は夏未ちゃんと仲良くしたいな』
夏「いいの?」
冬『私は夏未ちゃんがいいなら、そうしたい!でも、夏未ちゃんがそう言わなくても、無理やり仲良くするかも』
『冬花』は夏未の隣の席に座り、彼女の手を握った。
冬『もっと自分に自信を持とう、ねっ?』
夏「うん」
そんな二人のやり取りを、女は黙って見つめていた。