二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 〜魔光石編、開始!!〜 ( No.272 )
- 日時: 2011/05/27 19:29
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
2 ただいま
円「って……またすごい料理だな」
円堂たちが城に入ったのはつい数分前のことだ。皆で優勝の誓いをしているところに、冬花がみごとに割り込んで、その場の空気を一気に崩した。守たちが帰ってきて相当うれしいのか、性格が激変している。とても国のお姫様とは思えない。
そして、悠也が円堂たちを食堂まで案内すると、そこに広がっていたのは、またしても豪華な料理だった。
豪「夏未か?」
夏「まさか、てか今までずっとアンタたちの傍にいたじゃない!!」
アツヤ「存在感が薄かったんじゃね?」
夏「あぁ!?なんですって?」
アツヤ「なんでもありません」
悠「姫、少し用事があるので、僕はここで失礼いたします」
冬『はい!兄様にもがんばってと伝えてください!』
悠「はい」
最後に悠也が冬花に言葉をかけ、その場をあとにした。
夏「入っちゃおう、もうくたくただし…それに茜たちもそろそろ来ると思うわ」
壁「オレもうお腹がペコペコっスよ〜」
小「俺も〜」
全員が席に着くと、アツヤが長いテーブルを見渡し、余計なものがないと確認すると、はぁと心を落ち着かせた。
吹「大丈夫?アツヤ」
アツヤ「大丈夫だ、危険物はない」
鬼「その危険物は一体何なんだ?キャラバンの中でも騒いでいた気がするが」
アツヤ「知らない方がいい、お前たちみたいなのは」
そういうと、アツヤは全身の力を抜き、椅子に体重をかけた。
音「そういえば、こっちの夏未さんがいませんね」
豪「さっきまで入り口付近にいたのにな…」
アツヤ「嫌な予感がするのは俺だけか?」
冬『どこ行ったんだろ?それに茜ちゃんたちも遅いね…』
いつの間にか、冬花に敬語が消えている。これも守たちが帰ってきたことに関係しているのか。と全員が思った。
夏「ほら!のろのろしない!!」
?「るっせぇ!!引っ張んな!!」
茜「ほらほら、早く!姫がまってるよ!それにアンタたちと同じ顔の奴が『なぜか知らない』けどいるよ」
晴「今のぜってぇ嘘だよな、知らないって…」
?「たのもう〜!!」
一人の少女の声がした後、食堂と廊下をつなぐ豪華な扉が、大きな破壊音とともに、きれいな弧を描き空中を舞った。
扉を無残な形に壊したのは、音無春奈の姿と同じの少女—フェアリー王国の春奈だった。扉を足で思いっきり蹴とばしたのだ。
?「お前は手が使えないのか?手が」
春「しょうがないじゃん、左手折れてるもん。足使うしか方法がないじゃん」
春奈に注意をかけたのが、フェアリー王国の修也だ。
修「お前は右利きだろ!しかも、どうやったら扉がそんなに壊れるんだ?」
春「ぼろいのよ、この扉が!」
リ「いや、失礼だから!しかも姫が思いっきりそこにいるよ?」
振り向くと、冬花が一番奥の外で現状を飲み込めずにぽかんとしていた。円堂たちは壊れた扉に目がいった。
春「ほんとだ、なんかいる〜」
?「どこかの物まね芸か?」
夏「はいはい、入りましょうねぇ〜守くん」
守「なぁ。いまいち状況がw 夏「うるさい!入れ!!」 はいはい…」
夏未に引っ張られ、最終的には状況もわからないまま、食堂までに強制連行されたのがこの四人。エイリア石で大暴れした守たちだ。多少体に傷が残っていたものの、元気そうなところを見ると、全然平気の様だ。
?「…つまんなそうだから帰る」
もう一人の少女は秋、いかにも重そうな大きな本を手に持ち。壊れた扉の跡からそとに出ようとした。
夏「はい、秋ちゃんそんなの私が承諾すると思う?」
秋「思わない」
夏「ですよね〜、じゃあ、おとなしく言うこと聞きなさい」
秋「いや……だって言ったら?」
夏「力でねじ伏せるよ?」
夏未が笑顔で答えた。だが、顔が笑っていても、目が笑っていない。本気でそうするらしい。秋はそれを悟ると、おとなしく命令に従った。
冬『皆?』
冬花が今一度、守たちを見つめなおした。いくら円堂たちにより、守たちを助けられても、心の中ではまだ自覚がなかったのだ。本当に守たちは戻ってきたのか、と
冬『皆〜!!!』
部屋の奥にいた冬花が守たちのもとへ駆け強く彼らを抱きしめた。顔をつねっても痛くないはずがなかった、現実だからだ。本当に守たちがこの国に自分たちのもとへ戻ってきたのがやっと実感できた。今度は悲しみの涙ではなく、うれしさの涙がたくさんこぼれた
守「あわわわ、姫?///」
冬『ありがとう…本当に戻ってきてくれたんだ……』
夏「……フッ」
周りにいる皆がその光景を温かく見守っていた。
守「えっと、泣いてる?よな……」
冬『悲しかったんだよ?皆いなくなって……』
修「……」
春「……」
秋「……」
冬『でも、皆帰ってきてくれた、だからありがとう、そして
お帰りなさい!』
この一言は冬花が一番言いたかったことだった。一度はもう諦めかけていた願いだったが、円堂たちがいてくれたから、叶うことのできた願いだ。今はもう悲しみなんてどこにもなかった。たった一言、この言葉を守たちに伝えたかったのだ。
守たちは一度交互に顔を見合わせると、微笑みながらその言葉に返事をかけた——
「ただいま、冬花」
顔を上げた冬花には今までで一番幸せそうな笑顔がこぼれた