二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機〜魔法募集中!〜 ( No.388 )
- 日時: 2011/06/19 19:18
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
13 狼の瞳
「それでk「茜の言ってた話にそっくりじゃない!!」落ち着け…」
夏未はいきなり椅子から飛び起きた。今は皆が集まり夕食を食べている頃だ。
修也はフードと青白い砂の入った小さな瓶を見せ、さっき起こったことを一から全部詳しく話したのだ。驚くとは思っていたが、夏未の反応はそれ以上だった。守や春奈たちは関心はなさそうだが。
円堂たちは相変わらず無言状態。余計な被害に合わないようにするには、これが最善の方法だろう。
「どういうこと!?」
夏未が片足でテーブルを踏み、向かい側に座っている修也の襟元をつかんだ。ものすごく礼儀が悪い。足に力が入るたびに、テーブルがギコギコと音を立てて崩れそうになる。一応大理石の造りでできているはずだ。
「待て、俺の説明が終わる前に、天国へ旅立ちそうだから、その手を離せ」
「で、その男は捕まえたの!?」
「捕まえられてらすごいよな〜」
「何で殴ったり斬ったりして瀕死にしなかったのよ!?重要な情報源じゃない!!」
夏未が修也を気がとぶほど、前後に思いっきりブンブン振っている。
「いつもは殴るなとかいうのに、よく言うよ…」
春奈が隣で小さく呟くと、殺気のこもった目線で夏未に睨みつけられた。
「だから、その手をh「何で捕まえなかったの!?」…」
「夏未、落ち着いた方がいいかと思われ…皆、引いてる」
「引こうが引かまいがどうでもいいの!まったく、どうしていざとなったら役に立たないの!?」
「育てた親のせいじゃないか?」
「どの口が姉さんの悪口を言ってのかな〜修也くん!!」
「手ェ離せぇ!この暴力女!!」
「首跳ばされたいの!?」
「夏未、落ち着いて!」
とっさに冬花が止めに入る。もちろん、彼らの喧嘩を止められるのは冬花と瞳子だけだ。他人が止めに入ろうとすると、怪我をしたり、酷ければ瀕死の状態になりかねない。
「ハァ…結局手がかりなしか…どうしてよりによって修也の前に現れるの?」
「それ、どういう意味だ?」
やれやれ、とため息をする夏未を修也は睨んだ。
「でも、やっぱり円堂くん達が関係してくるんだね…」
「何かやられる前にこっちが円堂たちを牢獄にいれて監禁しちゃえば〜」
冬花が言った直後、春奈が物騒なことを言った。もちろん冗談だ。それに引っかかる円堂たちの反応が面白くて、言いたくなる衝動を抑えきれなく、つい言ってしまったのだ。夏未に怒られるのがわかっていても、後悔はしていない。
「なっ、監禁って…」
「春奈!大丈夫、円堂くん。そんなことはしないよ」
「そうかなぁ〜夏未ならやりかねないよ」
「それ以上無駄口叩いたら、殴り飛ばすよ?」
春奈と夏未の間に不穏な空気が流れた。
「こ、このこと兄様に話さなくていいのかな?」
「食事が終わり次第、俺が報告しに行きます」
「うん、よろしくね」
「そういえば、お前たち、夜は練習しないのか?」
周りの空気をどうにかして変えたいため、守は話題をそらした。いまだに春奈と夏未はにらみ合い、火花を散らしている。
「場合によるな〜」
「そうか、今日はどうするんだ?」
「どうする?鬼道?」
「どうして俺に振るんだ?」
「た、大変です!!夏未様!!」
突然、食堂に一人の兵士が慌てたようすで入ってきた。全身に冷や汗が流れている。
「どうしたの?」
「南西の方角に敵と思われる軍隊が攻撃を仕掛けようとしています!!」
「南西……人数は?」
「軽く300は超えているかと…」
「さ、300!?」
円堂たちが驚愕の声を上げた。それもそのはず、今この国には高レベルの兵士は十数人しかいない。いくら夏未たちが強くても、数は圧倒的に相手の方が上回っている。敵軍の中に入り込み、反抗しても、ただ無駄な犠牲を払うだけだ。それに円堂たちの護衛が重なれば、さらに動きにくくなる。
しかし、それでも夏未の表情は揺らがない。最高レベルのプライドというものなのか。少し口角が上がっているのを見ると、このピンチを楽勝に思っているみたいだ。どうやら動揺しているのは円堂たちと冬花だけならしい。
「そう、相手のレベルはどのくらい?」
「すみません、そこまでは…一応、悠也様の結界が張られていますので、安全かとは思いますが…」
「面白れぇ…」
声の主は守。守は立ち上がった。バンダナのすぐ下にある、その瞳はまるで血に飢えた狼のようだ。睨まれるだけで、怯んでしまうほどの鋭い目線に、殺気のこもった雰囲気が辺り一面を覆った。円堂たちは、ゴクッと唾を飲み込む。守は奥から歩いてくると、低い声獣が唸るような声で、腰にある剣の柄の部分を握った。
「全員……
血祭りにしてやる」