二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 異世界の危機〜テスト終了!更新再開!!〜 ( No.416 )
日時: 2011/07/13 21:35
名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
参照: 地獄のテストから解放されました!!!

久々の更新です!!



16 遊びと殺し

「…あれ?夏未、聞こえる?夏未!?」

春奈が大声で叫んだ。答えは返ってこない。モニーターの画面も、ブチと音を立て、切れてしまった。

「夏未は大丈夫なのか!?」

円堂が慌てて春奈に問うが、彼女はただ首を横に振るだけだった。

「通信が切れてる…多分、誰かに強制的に切られたのかもしれない…」
「何かあったんじゃないか?」
「わからない…」

豪炎寺の問いにも力なく、答える。春奈にも焦りの表情が生まれ始めた。

「助けに行かないのか?」
「お前たちの護衛があるのに、ここから離れられる訳ないでしょ!?」
「もう一人の夏未さん、大丈夫なんでしょうか…」

音無が心配そうに言った。皆も同じ気持ちだった、春奈は頭を掻き、通信が切れた理由を突き止めようと、必死に脳を回転させる。やはり、答えは出ない。

「…大丈夫、夏未たちなら大丈夫よ、絶対に…」
「そうだな、今はあいつ等を信じなきゃ…」

「あ!いたいた〜えんどーまもるだ〜!」

一人の少年の声がこのだだ広い食堂に響いた。少年と言っても、少し幼い感じが表れている。

「誰!?」
「ぼくは『ちぇるた・ふぇいるす・ている』っていうんだ〜」

春奈が水で造形した透明な弓矢を一瞬にして作りだし、円堂たちの前に立ちはだかるように、見えない敵に武器を構える。

「おねーちゃん、あそんでくれるのぉ?」
「いいから出て来い!」

強い口調で怒鳴りつけると、天井からうっすらと人影ができ、だんだんその姿を現した。

「ぼくねぇ、ここにくれば、えんどーまもるがあそんでくれるって、いわれたんだぁ〜」
(こいつ…どこからこの城に侵入したの?)

少年は金髪の髪をし、貴族が着ていそうな服を身に纏っている。顔は美少年だが、どうにも表情がとても幼く見える。少年は右手に二匹の蛇が互いに絡まっているような紋章が、大剣の刃の部分に大きく刻まれ、その先から刃は二つに分かれている。まるで大きなはさみの様だ。

「それは誰が言った?」
「えっとね、あるてぃすがいってた!」
「アルティス…ですって?」
「うん!えんどーまもると〜ごうえんじしゅうやと〜きどうゆうと…あとね、ふゆかひめをつれてきたらいっしょにあそんでくれるって!」

少年は指を一本ずつ折りながら、数えた。言葉や行動もとても幼稚だ。

「円堂、下がって…」
「お前一人で大丈夫なのか?」
「なめないでよ、これでもレベル九はある…こんな奴なんかに冬花を渡してたまるもんですか!」

弓矢を構え、一気に水の矢を放出した。無数の矢が真っ白の天井に突き刺さる。
少年の姿は砂煙で見えなくなった。だが、戦いのかんというものだろうか、春奈にはさっきの水の矢が一本も当たっていないと悟った。もう一度、構えなおす、今度はより多くの矢を飛ばせるように、体の底から魔力を作り出す。

「やったか…?」
「円堂、王のところに行って!!私一人じゃあ、こんなに大人数を庇いきれない!!あいつまだ生きてる!!」
「……」
「早くして!!あいつが来る前に!!」
「円堂、ここはひとまず下がろう!ここにいても、足手まといになるだけだ!!」

風丸の呼びかけで、円堂は振り返り、ドアの方へ走って行った。
しかし—

「なんだよ…これ…」

窓側に近かった小暮が扉が塞がれているのを気づいた。扉は薄いオレンジ色のバリアーのようなもので塞がれ、叩いても蹴ってもびくともしない。これでは、円堂たちは外へ出ることはできない。

「だめだよ〜そこにはちぇるとがはったけっかいがあるんだもん、でられないよ〜」
(このままじゃ、戦いにくい…)

できるだけ、円堂たちを奥の方へ寄せ、被害を少なくしようと考えた。無駄な抵抗なのかは分からない、それでも全力を尽くす、今はそれだけだった。




「おねーちゃん、あそぼ?」












少年—チェルタにとっての遊びは、円堂たちには殺しと同じ