二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機〜twitter始めました〜 ( No.50 )
- 日時: 2011/03/18 21:19
- 名前: 桜花火 (ID: /HyWNmZ0)
20 静かな町
音「きれいな街ですね」
冬『はい、私もこの国が大好きなんです』
周りを見渡しつつも、皆、足を進めて進んでいく
風「大きい城下町だな…」
円「城もでかいな」
この町に入ってきた時から円堂はずっと城ばかり見ている
冬「それに、皆、楽しそう」
木「そうだね」
すると、前から五人ほどの子供たちが走ってきた
男の子1「姫、姫!お帰りなさい!」
冬『うん、ただいま』
『冬花』はそばにしゃがみ込み、男の子と目線を合わせた
優しく微笑みかけられ、男の子は少し照れる
女の子1「姫!あのね、お母さんがね、これ姫にあげるだって」
女の子の手には大きな籠があった
その中にはたくさんのリンゴが入っていた
冬『ありがとう、お母様にもお礼を言っておいてね』
女の子1「うん!」
男の子2「姫、大丈夫?最近、元気がなさそうだよ」
突然の言葉に『冬花』は驚いた
しかし、それでも笑顔で答える
冬『そんな事ないよ、ちょっと眠れなかっただけかな』
女の子2「無理しちゃダメだよ」
冬『うん、ありがとう』
男の子3「じゃあ、姫またね」
冬『またね、遊ぶときは気を付けてね』
五人の子供たちは別れの言葉を言うと走って行った
そんな中、円堂はあの子供たちの中の男の子がサッカーボールを持っていることに気が付いた
円「なぁ、豪炎寺、あれってサッカーボールじゃないか?」
豪「この国でもサッカーはあるんだな」
茜「あぁ〜サッカーか…あれね、今、子供たちにすごく人気があるの、正直、どこが面白いのかわからないけどね」
茜がつまらなそうな顔をした
円「サッカーは楽しいぞ!」
茜「サッカーやるんだね、あんた達」
円「茜はやったことはないのか?」
茜「小さい頃に一回ぐらいしかやったことがない気がする、だいたいそんなのをやる時間なんてないしね…」
円「じゃあ、こんど一緒にやろうぜ!」
鬼「円堂、今、茜は時間がないといったはずだが」
円「えっ、そうだっけ?」
茜「クスクスッ、あんた本当にもう一人の守なの?全然似てないじゃない」
その場のやり取りをきいて、茜は思わず吹いた
風「でも、そっちの冬花は似ているって言ってたぞ」
茜「まぁ、人それぞれなんじゃない?」
音「にしても、そっちの冬花さん、すごく好かれているんですね」
茜「いつも、笑顔で明るくて優しくて、それにかわいいしね〜好かれない方がおかしいよ」
木「こんなに平和な町なのに、あんなことが起こったのが嘘みたい」
茜「あっ、その事は町の人には知られていないの」
全「「?」」
冬『……』
茜「王が皆がパニックにならないようにって、この事を知っているのは兵士の中でも一部しか知らないの、だからあまり言わないでね」
音「そうだったんですか…」
茜「でも、これは姫の願いでもあるから、皆の笑顔を壊したくないって言う願いだから」
話を聞いていると、次に後ろから年上の女の人の声がかかった
女「守様、修也様!」
円「えぇ〜!俺!?」
茜「落ち着いて、さっきの話聞いたでしょ?あなたは今「ここの守」だからそれに対応して、豪炎寺くん、貴方もよ」
茜からアドバイスを聞くと、慌てながらも対応する
女「最近、顔を見ませんでしたね、またお仕事ですか?」
円(対応してって言われても、どうすれば)
豪「はい、少し仕事が詰まって…今さっきここに着いたところです」
全(豪炎寺、ナイス!)
女「そうですよね、服も汚れていますもんね、すみません、お疲れなのに…」
豪「いいえ、お気になさらず」
女「そうだ、守様、修也様これ持って行ってください、春奈様が大好きなものですから」
円「えっあっ、ありがとうございます」
なぜか円堂の体に緊張が走り、精一杯出した言葉もぎこちなくなった
そんな様子を見た女性は不思議そうに円堂を見て質問した
女「守様、敬語使います?姫様と王以外はあまり使いませんよね?」
茜(あちゃ〜言うの忘れてた)
その言葉を聞いて円堂はまた体が固まった
そこへ、豪炎寺がフォローに入った
豪「すいません、今日は少し疲れたんでこの辺で…後、これありがとうございます」
女「そうですよね、すみません引き留めてしまって、姫様も」
冬『いいえ、その「ヒューム」春奈もきっと喜びます』
女「では、ここで」
そういうと、女性は早歩きで行ってしまった
円「豪炎寺、すごいな!」
豪「試合のときは緊張しないのに、なんでこういう時は緊張するんだ?」
円「いや〜急に言われたらなんか緊張しちゃって…」
茜「でも、豪炎寺くんナイスフォローだったわよ」
音「あの、その「ヒューム」ってなんですか?」
音無が白い布に包まれた物を指した
冬『あっ、これは暖かいパンの中に冷たいアイスを入れたデザートです』
音「熱いのに、冷たいものを入れていいんですか?」
冬『その中に入っているアイスは普通のより溶けにくいんですよ、でもわざと溶かして食べるのもおいしいですよ』
円「わぁ、おいしそうだな」
目をきらきら輝かせ、手の中にある籠を見つめる
冬『ちょうど、おいしそうなリンゴもありますし、後で城に着いたら食べましょう』
平和な町、静かな町…
人々の笑い声が飛び交う町…
誰もが思いもしないだろう
恐怖の幕開けを…