二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 ( No.52 )
- 日時: 2011/04/04 10:54
- 名前: 桜花火 (ID: /HyWNmZ0)
四月の中旬とか言っていましたけど、
予定より早く事が済んだので更新!
21 もう一人の自分
城に着くと『冬花』は食堂へ円堂たちを案内した。
食堂はとても大きく、人が三百人くらい入ってもまだまだ足りないくらい大きい。
食堂の中央には長いテーブルが置いてある、その上にはたくさんの果物やお菓子がお皿に盛られていた。
円「でっけ〜」
風「すごいな」
冬『皆さん、気軽に座ってください』
木「気軽にって…」
食堂の凄さに圧倒しながらも、各席に座る円堂たち。着席すると、周りにいたメイドが食事を運んでくる。やはりどれも豪華なものばかりだった。そして、メイドたちはそそくさと食堂を出て行った。本来、メイドたちは食事が終わるまでもずっとそばにいるはずだが、今日は前もって『冬花』が出ていくように言ってあるのだ。
この後、食事に手を出し始める円堂たち。
そして、食事の途中で円堂がさっきから気になっていたことを聞いた。
円「そういえば、こっちの俺たちってどんな感じなの?」
冬『どんな感じ…』
『冬花』が考えているその隣で茜が横からすぐに答えた。
茜「どんな感じって言っても、難しいかもしれないけど、一言で言えば常に飢えている狼みたいな感じかな〜」
風「常に飢えている狼…」
音「それって具体的にどういう意味ですか?」
茜「う〜ん、まぁ、いつも警戒心が強くてなんか近寄りがたいのよね、それに相手を敵って認識すると、すぐに手が出るし、言葉も乱暴な時もあるし。あっ、今までの事は守と修也のことね、それに守と修也はすごく仲が悪いから、いつも喧嘩ばかりしてるんだよね」
ヒ「怖いね…もう一人の円堂君と豪炎寺君」
茜「でも、慣れればどうってことないんだけどね。で、春奈はすごく元気で、なっちゃんも明るいけど、いつも守とかにちょっかい出すから喧嘩になったりすることもあったり、で、秋はあんまり表情は表に出さないんだけど、でも逆に言えばすごく冷静だし…まぁ、多分あんた達とはあんまり似ていないと思う」
もう一人の自分のことで話が盛り上がる円堂たち。その横で『冬花』が下を向きながらも、何とか笑顔を作ろうとする。それに気づいた茜が、話を止めた。
茜「姫、申し訳ございません。また変なことを…」
冬『ううん、いいよ続けてて』
すると、今度は『冬花』が茜に質問をした。
冬『さっきまで、茜ちゃん何の仕事してたの?』
茜「…そういえば、その事についてまだ話していませんでしたね。さっきまで、私は東の村まで行っていました、そこで、守たちの手がかりを発見しました」
突然の情報に皆が驚いた、こんなにも早く手がかりがあるとは思わなかったのだ。
冬『それは本当!?』
茜「はい、三日前、私は東の大きな村が襲撃されたと聞き、その村へ向かいました。そして、確かに村は襲撃され、民家などがボロボロになっていました。そこで、村の地面が湿っていたんです、それで、その土から春奈の水魔法の成分が少しあったんです。それともう一つ……」
茜はポケットに手を突っ込むと、中から土まみれのペンダントを取り出した。それを『冬花』に渡した。
茜「落ちていたんです、そのペンダント……誰のかお分かりですよね?」
冬『修也のペンダント…』
茜「はい」
円「もう一人の豪炎寺のペンダントなのか?」
冬『はい、確かにそうです』
『冬花』はそう答えると、ペンダントを両手で包み込む。
冬《どうして…、貴方はどんな時でもこのペンダントを離さなかった、あの人から貰ったものなんでしょ、なのに……貴方は本当に変わってしまったの?もう、皆の所へは帰ってこないの?》
『冬花』の悲しい心の叫びが、彼女自身の体を震わらせた。
そして、決心したかのように、立ち上がった。
冬『茜ちゃん、私をその村に連れて行って!』
茜「えっ、しかし…」
冬『お願い、私はこんなところで立ち止まりたくない!』
?「それはいけませんよ、冬花姫」
一人の青年が食堂の扉から入ってきた。