二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 闇元月実、登場&魔法募集中 ( No.547 )
- 日時: 2011/09/10 22:21
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
41 あの時の涙
「明日、ダークエンペラーズと戦うことが決まった」
大きな会議室に広がる鬼道の声。それにうなずく人もいれば、あまり乗る気がなさそうな人もいる。
当然のように、守たちはいなかった。さすがに、二度目は疑われたりしたものの、扉の前で待機する、と言う条件で、引き受けた。盗み聞きでもするつもりだろう。しかし、今回のことは別に聞かれても、不利になるようなことではない。事前に冬花が彼らに話していたことを、同じように鬼道が皆に話しているからだ。
「諦め悪いな、あいつ等」
扉に寄りかかりながら、守はため息交じりに言うものの、心配していそうな雰囲気も出しいる。
円堂との関わりによって、ほんの少しだけだが、彼の心境もかわりつつある、しかし彼にはまだその自覚はないようだ。
「そうね。でもそこが彼らの長所でもあって、短所でもある」
「短所?なっちゃん、諦めの悪いところが、短所になるのぉ?」
「……時には諦めないといけないこともある…それを根性でどうにかしよう、って考えたら、余計な犠牲がでる…まぁ、諦めが悪いのもほどほどに、ってことよ。姉さんの教え」
一瞬だけ、夏未が暗い表情になったのは見えていた。まるで、これから何が起きるのかがわかるみたいだった。
「夏未、郁斗のところに行くの、少し早めにしないか?」
「私はいつでもいいけど…修也たちが決めて」
「解散!!!」
すると、会議室から円堂の声が聞こえてきた。どうやら、話が終わったらしい。扉が開き、イナズマジャパンの人たちは、一人ずつ出てくる。マネージャーには仕事が残っているらしく、まだ会議室から出てこない。
「夏未、じゃあ今日の午後でいいか?」
「分かった。私は花とか買いに行くから、春奈と秋に伝えておいて〜」
その一部始終を聞いていた円堂が疑問に思い、修也に聞くことにした。
「なぁ、何で花を買うんだ?」
「いや…たいしたことではない、墓参りだ……」
守よりは、修也の方がよっぽど相手にしやすく、話しかけやすい。
守に聞いても、無視されその場を立ち去られるか、お前には関係ない、と吐き捨てられる。
それでも、修也は全てを話してくれるわけではない。極力短い言葉で終わらせ、後は聞いても同じ言葉しか返ってこない。その面では、豪炎寺に似ているのかもしれない。
今回も一言で終わらせ、後は円堂たちを茜に任せて、自分も家で待機している春奈と秋の元へと行ってしまった。
「墓…参り?」
「うん、修也たちとすごく仲良かった男の子がね…七年前に死んじゃったの。この時期はちょうどあの子の命日だから、皆で墓参りに行ってるの」
いつもテンションが高く、元気な茜でさえも、暗い表情を出していた。それほど残酷だったのだろうか、それとも、修也たちに同情しているのだろうか。どっちにしろ、あまりこの話は聞かない方がいいのかもしれない。
「続きが聞きたいなら、なっちゃん達に聞いて、私にはあの子の話をペラペラ話す権利はないから」
「キャプテン、鬼道くん達もう行っちゃうよ?」
「あぁ、そうだな、明日のためにも練習しないとな!」
「うん!」
円堂が茜のところから吹雪の元まで寄ると、笑顔で吹雪は返事をした。一瞬足を止めたが、茜も気持ちを整え、走って行く円堂と吹雪の後を追った。
「よしっ!これで終わり、っと…」
両手を思いっきり挙げて、音無は背伸びをした。いままでの、選手たちの一人一人のデータや練習成果をまとめてある書類を、木野達と一緒に見直していたのだ。イナズマジャパンのマネージャーがする当たり前のことだ。元新聞部であったため、すぐにこういうのには慣れたのだが、雷門には少し辛かったらしい。
「次は買い出しに行こっか。ずっとここの物ご馳走になるのも悪いし、バランスも考えないといけないし…」
「そうですね。皆で行きませんか?その方が迷っても安心だと思います」
「そうね。一度はもう一人の音無さんに案内してもらったけど、念のためにそうした方がいいわよね」
四人の意見が一致し、マネージャーたちは買い出しに行くことになった。
すいません、続きはまた明日更新しますッ!