二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 魔法募集中 ( No.651 )
- 日時: 2011/10/02 21:44
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 漢検とか意味分からんwww
「はい…それは全部アルティスの企みです……」
「そうか…」
真実を知った時には、もう手遅れだった。
新たなダークエンペラーズを結成させたのは、アルティス。それは分かっていた。が、その後の計画があまりにも壮大すぎた、いや、馬鹿げている。
アルティスはあの世界にある力を取り込み、『魔力の器』と呼ばれるとても高度で珍しい用具を造りだそうとしている。
そんなことできるはずがない。誰もがそういうだろう。
魔力の器——ある特殊の器に、莫大の魔力を注ぎ込むことによって、完成する魔法具だ。しかし、器はたくさんある訳ではない。この無数にあるパラレルワールドの中でも、二つしか存在しないと言われている。
そのため、器の代わりとなるのが、『人体』。しかし、多くある人体であっても、魔力の器に適任する者も数少ない。一つの世界に一人いるかどうか……。
だが、魔力の器を手にした者は、この世の全てを自由自在に操ることができる。
何万年も昔になる。その魔力の器を手にしたある者は、いくつものあるパラレルワールドを10分の1にまで削ったほどだ。つまり、今あるパラレルワールドの数は、その削られた世界の残りという—————————説がある。
この話が本当なのかどうかは分からない。誰かが変な噂を流したのかもしれないし、本当に誰かが真実をつきとめたのかもしれない。しかし、この話がある以上、実在する魔力の器は決して使ってはいけない。特にアルティスのような人物には。
一つの世界だけを犠牲にして、魔力の器を造り上げることなど、無謀すぎる。それ以上に、一つの世界を魔力へと変換させるのは、不可能だ。失敗すれば、その世界は吹き飛ぶかもしれないし、その前に自分が犠牲となるかもしれない。どっちにしろ、危険な賭けである。
しかし、同時にもう一つ、疑問が浮かび上がってくる。
———なぜ、ダークエンペラーズを再結成する必要があるのか。
魔力の器を造りだすとしても、別にそのようなチームは必要がないはずだ。確かに、パラレルワールドに干渉する過去から未来までの時間を捻じ曲げたかもしれない。しかし、だからと言って、魔力の器が完成するわけではない。
「しかし、相手はアルティスだ…何を仕出かすか分からないな…」
「はい…アルティスは姫様があの世界に行き、世界もろとも彼らの体内にある魔力を奪おうとしている…しかし、円堂様は違います…あの方々には魔力がない、それに、『適任者』ですから…」
「あいつ等を『器代わり』にしようとしているいのか…」
返事の代わりに、ロリーは俯く。黒色のスカートの部分を両手で強く握りしめた。
——そういうことだったのか。
嵐も膝を組み、ため息を吐くしかなかった。
アルティスは最初から、円堂たちがダークエンペラーズと戦うことを計算に入れ、彼らと共にやって来る冬花たちをおびき出そうという訳だ。
今更、円堂たちを追うとしても、唯一転送魔法を使える悠也は、魔力を使い果たし、復帰するには時間がかかる。それに行ったとしても、何もできない。
「待つしかないんだ…俺たちは…」
嵐は窓の向こうの世界を見つめながら呟いた。
たった一人の妹の無事を祈って—————