二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 アニメネタバレ? 投稿! ( No.68 )
- 日時: 2011/04/12 17:40
- 名前: 桜花火 (ID: /HyWNmZ0)
25 悲しみと憎しみ
冬『どうして…守が…』
皆が見つめる先には、守たちが次々に建物や町の人をなぎ倒していっている映像だ。
茜「あいつ等、いくらなんでもやり過ぎでしょう」
円「どうするんだ!茜」
茜「姫っ、私は応援を呼んできます」
茜は『冬花』を椅子に座らせると、食堂を出て行った。
椅子に座っている『冬花』は、ショックを受けて動けない。
風「円堂、外に行こう」
円「わかった。冬花っ!……冬花?」
冬『なんで、あの子たちはそんなことしない……』
『冬花』の体が震えていた。
円「早く!!」
円堂が『冬花』手を引っ張り、皆と外へ出た。
城を出ると、そこは変わり果てていた。
瓦礫の残骸があちらこちらに散らばっている。
吹「ひどいっ…」
円「どういうことだよ……どうして、自分の街を壊すんだよ」
そして、煙の中から五人の少年少女が現れた。
春「会うのは二回目かしら?」
音「私…」
修「円堂守だな?後ろにいる女を出してもらおう…」
修也が剣の刃先を円堂に向けながら言った。
円「お前、もう一人の豪炎寺なんだろう!?なんでこんなことをするんだ!?」
修「そんなのは関係ないだろう?お前の仲間だって、裏切っただろう?」
風「…」
円「関係なくなんかない!」
修「!?」
円「確かに、お前はお前で、豪炎寺は豪炎寺だ!でも、それでも、こっちの冬っぺの仲間なんだろう
!どうしてこっちの冬っぺが困ることをするんだ!」
円堂が修也に向かって大声で叫ぶ。
その言葉を聞いた修也はまるで嘲笑うかのように言った。
修「仲間…友…、その言葉を聞いているだけでわかる……。お前、ずいぶんと甘い世界で生きているようだな。だから『弱い』んだ」
円「!?」
修「自分を強くするのは仲間や友情なんかじゃない……『復讐』だ!」
豪「円堂が弱い?」
豪炎寺が足を一歩踏み出した。
豪「俺は円堂がいたからこそ、またサッカーを続けることができた…確かにこいつはサッカーしか頭に入っていないサッカーバカだ…」
鬼「だが、いつも俺たちを支えてくれたのは円堂だ。仲間の重さやサッカーの楽しさを教えてくれたのは全部こいつだ…」
吹「僕を『本当の自分』として、サッカーができたのも、キャプテンの熱くて強い心のおかげなんだ…」
風「俺をエイリア石の闇から引きずり出してくれたのも、全部円堂だ…」
全「お前に、円堂が弱いなんて言う資格はない!」
全員が口をそろえて、言った。
修也は小さく舌を鳴らす。
修「ちっ、どいつもこいつも…」
春「気にすることはないわ、修也。こいつ等はどうせ私たちの悲しみはわからない」
円「悲しみって…」
音「自分の街をこんなに壊してよく言えますね」
次は音無が反抗をする。
音「貴方たちがこんなに壊している自体で、いろんな人が悲しんでいるんじゃないですか!」
春「うるさいっ!黙れ!!」
冬『春奈!』
春「気安く呼ばないで…貴女は、今まで自分が何をしてきたか分かっていない!」
冬『えっ…?』
春奈が顔を上げた。
その頬には涙が流れている。
春「貴女は!お前の父親は!私たちを全員孤児ににした…私たちの幸せを奪ったんだ!」
冬『そんなことしてない…』
春「誰でも必ずそういう……でも、お前のせいで……修也が自分の兄と対立することになって、秋が双子のお姉さんを失って、夏未が呪われた子供として生まれてきて、守が親を亡くしてここに来る前の記憶さえも奪はれた…それに私の
お兄ちゃんを殺した!」
全「!?」
春「私たちは信じていた、貴女の事を……でも、もう決めた、私はこの力でお前を、この国を滅ばしてやるっ!!」
春奈はそのまま崩れ落ちた。
手で顔を隠し、泣いている。
隣にいる秋はしゃがみ込み、春奈の頭を優しく撫でる。
修「分かったか?この気持ちはお前達にはわからないだろう…特にお前はな!」
修也が『冬花』を指差す。
その瞳には憎しみの炎が灯っていた。
—大きなモニーターがたくさんある場所で彼はいた。
アルティスだ。
彼はモニーターに写っている修也や円堂たちの様子を楽しみながら見ている。
ア「そうだ…お前たちは復讐のために作られた兵器だ…」
そういうと、画面を守に切り替える。
守の顔には表情がない。
ア「そろそろいいか……殺れ」
守「……はい」
さっきまで動かなった守が腰の剣を抜き、構えた。
冬『守?』
修「できれば姫一人だけでいいが、できなかったら、もう一人のお前ごと刺殺せ」
守「…」
修也が手で守の肩を叩くと、守は円堂と『冬花』に向かって、走り出す。
風「円堂!」
吹「危ない!」
誰もが叫んだ。
しかし、数秒後聞こえたのは刺された音ではなく、剣と剣だぶつかり合う金属音が響いた。
夏「いいかげん、目を覚ましなさい、守」
円堂と守の間に入ったのは、フェアリー王国の夏未だ。
修「チッ」
春「夏未、裏切るの?」
夏「裏切る…?バカなこと言ってんじゃないよ!裏切ってるのはアンタたちでしょ!」
直後、夏未は守を力強く振り払った。
冬『夏未!?』
夏「遅くなってすいません、姫」
茜「なっちゃん!」
応援を呼んできた茜がやってきた。
夏「茜、絶対に姫のところから離れないで!」
茜「うん」
夏「フェアリー王国の最高ランクの剣士をなめるなっ!!」
そういうと、夏未は守たちに突っ込んでいった。