二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】小さな夢物語【オリキャラ募集!】 ( No.200 )
日時: 2011/03/27 19:47
名前: MiNi ◆L/NsWzLsGs (ID: NcVt2sWO)
参照: 切実に暇だw

仮面更新!


No.03 『きまぐれな気持ち』



トランプを選んだのは良いけどこれであってるのかは分からない。

もし間違えたら今頭にくっついてる銃で頭を撃ちぬかれる。しかも恩人のマークの手によって。


「それでいいのか?」


気持ちを不安がらせるオーナーのこの言葉に額には汗が出てきた。


「それで・・・いい。」


恐怖で声が出なかったが頑張って声を出してみた。間抜けで怯えてる声だ。


「それじゃあ表にしてみろ。」


オーナーの命令でゆっくりとトランプを表にする。するとジョーカーらしき模様が見え、ひっくり返してみるとジョーカーだった。


「じょ、ジョーカーだ・・・。」


心の底から喜びが出てきた。勢いよく飛び跳ね体全体で喜びを表した。

頭にくっ付いていた銃も離され、マークも笑顔だった。だがその笑顔は冷たくそっけない笑顔だった。


「それじゃあマーク、案内してくれ。」


オーナーの命令でマークは私の腕を引っ張り部屋を出る。

マークの後ろを着いて行き、長い長い廊下を歩き続けると急にマークは立ち止まり振り向いた。


「トランプにはね、仕掛けがあるんだよ。」

「仕掛け?」


仕掛けってそんなの無かった気がするんだけど・・・。あ、でも私が選んだトランプちょっと色が薄かった。


「君は薄い色のトランプを選んだ。おれは俺が仕掛けたのさ。」

「どうして?」


そう聞くとまたポッケから銃を取り出し私に向ける。そしてマークの口元が緩む。


「これ、本当は弾入って無いよ。」


そう言い、マークは引き金を引いた。だがあの銃声音が聞こえなかった。聞こえたのはカチャっという弾切れの音だった。

銃には弾が無かった事に今までの力が抜けた。


「これも貴方の仕業?」

「全てそうさ。そしてこれはオーナーも知ってる。君を最初から殺そうとはしてないよ。ただ運を知りたかっただけさ。」

「運?でも私無い方だよ。ジャンケンとか賭け事とかすぐ負けるし。」

「いいや、君はあるよ。ただ自分を信じてないからだ。」


そうマークは言うとまた歩き始めた。マークの後ろ姿を見つめ数秒すると追いかけた。


「ねぇ、どうして私なんかにこんな事してくれるの?」


そう聞くとマークは立ち止まり一瞬静かな空間になった。

そしてマークは振り返り冷たい笑顔を見せた。


「ただの気まぐれだ。そう深く考えるな。」


小さく呟いたマークは歩き出す。廊下に足音が響きわたる。

マークの言葉に私はちょっと不思議に思った。本当にきなぐれなのかと?


「もしかして、何か秘密があるのかな?」


そう思い聞こうとしたが止めた。聞いちゃいけないような気がして。

そして私はマークの背中を見つめながら長い廊下を歩き続けた。


3話終わり