二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 〜運命の少女〜 ( No.4 )
日時: 2011/02/03 21:46
名前: 亜梨紗 ◆m3TTqGhRAg (ID: EHJQXsee)

ep3

午後の聞き込みが終わり、最強のエースストライカーはこの星凛町の唯一の中学校、「星凛中学校」にいることが分

かった。

車で移動中でのこと。

ぽつりと吹雪が呟いた。

「最強のエースストライカーって雪城光聖の事だよね…」

一之瀬が答えた。

「そういえば…そうだね。でも、光聖は死んだはずだし…」

「もしかして…光聖さんの幽霊とかっすかね!?」

「おっ…おい壁山ぁ〜脅すなよぉ…もぉ」

壁山の冗談を真に受けて怖がる円堂に皆が笑った。

その中で1人、吹雪だけは複雑な顔をしていた。





聖凛中は大きく、校舎は木造の白いシンプルな建物だった。

正門で掃除をしていた少年に円堂が話しかけた。

「あの…ここのサッカー部ってどこですか?」

少年は円堂をみるなりたたずまいを正す。

「あっ!!円堂さんじゃないですか!!…あ、サッカー部ですね、ご案内します!!」

少年はテキパキと掃除道具を片付け、円堂達を校舎内へ案内した。

サッカー部の部室の扉を開ける。

キィ……

中には背が高く、優しそうな少年がイスに座って書類を見ていた。

「新章先輩、お客さんですよ。」

新章はこちらに気付くとイスから立ち上がった。

「やぁ、はじめまして。僕はキャプテンの新章 裕樹。よろしく、円堂君。」

「ああ、よろしく。…ところで、ここに最強のストライカーがいるって聞いたんだけど…」

円堂が聞くと、新章は即答した。

「それは多分、雪城君のことじゃないかな。」

それを聞くなり一之瀬は身を乗り出した。

「雪城って…雪城光聖の!?」

新章は一之瀬の問いに即答した。

「いや、雪城君は違うよ。」

「…!」

吹雪が、ピクリと動く。

新章は気付いていた。が、無視する。

「今校庭で特訓中だから、試合してみないか?」

「ああ、ぜひお願いするぜ!!」

円堂が答えると、新章は微笑んだ。



皆が校庭に向かう。

「…悪いけど、皆先に行っててくれるかな?」

吹雪の言葉に、円堂は不思議そうな顔をした。

円堂「えっ?まぁ、いいけど…遅れんなよ!!」

円堂が言うと、吹雪は「うん」と言って新章の残る部室へと戻った。



サッカー部の部室。

新章と吹雪。

重い沈黙が続く。

「…なんで言わなかった?」

口を開いたのは吹雪。

「何をだ?」

「黎…いや、沙耶のことだよ…」

「……」

新章は答えない。

「どうして沙耶が光聖の娘だって事を言わなかったんだ!?」

吹雪は半ばキレ気味にいった。

「…言ったら何か変わるのか?」

「!?」

新章の言葉と声色に怖気づく吹雪。

「言ったら沙耶のトラウマが悪化するだけだ。何も変わらない。むしろ、悪くなる。」

「言ったほうが楽になる時だってあるだろ…雷門中の皆が信じられないのか?」

「いずれか彼女から明かす時が来るだろう。僕らはその時を待つしかない。あいつの病気のためにもな…」

吹雪は反論できなかった。

いや、反論できる余地がなかった。

「彼女は君の事を覚えている。どう接しるか考えておけよ。…豪炎寺君はどうしているだろうな。」

新章の言葉に吹雪は驚きを隠せない。

豪炎寺はいま、いないのだから。

「なんで…豪炎寺君が!?」

「豪炎寺君は沙耶の良き理解者、とでもいっておこうか…」

新章はそう言って部室から出て行った。