二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 時空心中。【イナズマイレブン オリキャラ・同盟国募集】 ( No.145 )
日時: 2011/04/29 18:10
名前: 蒼月白星鏡 ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
参照: 小森日ちゃんのもう一つの人格がアツヤっぽくなってしまった

【裏覚醒】


















「マジか…」



鬼道が驚愕する。



「1つ良いか、鬼道」



「何だ?」



「お前は千の方に行かなくてもいいのか」



一番重要なことを言ってしまった。



「ああ、それか」



「いや、平然と返すな」



「俺も行こうとしたんだが、不動が
 「君は王女サマと一緒に居た方がお似合いだよ、鬼道クン」とウザい事言われたからここに居る訳だ」



「つまり絡みたくないと」



「そういう事だ」



鬼道の意見に、納得した。



しかし、豪炎寺はもう1つ重要なことを思い出す。



「…もう1つ、思ったんだが」



「俺の事か?」



「いや、違う。試験の方だ」



「不正でも見つけたのか?」



「そうじゃない。未来は、"ダークネス・レイン"で自分の手の皮膚が溶けた」



「そうだな」



「今回のルールは、"未来に1つでも傷をつけたら合格"というものだ」



「…そういうことか」



「そういうことだ」



何も言わずして、鬼道は納得する。



皆さんもお気付きだろうか。



未来が手の皮膚を溶かした時点で、小森日は合格している筈。



しかし、未来は止めない。



辻褄が合っていないのだ。



「いえ、未来はちゃんと正しい判断をしているわ」



まるで、未来を庇(かば)う様な言い方をしている。



「どういう事です、過去さん」



「見てれば分かるわよ」






























「ねえ、小森日ちゃん」



黒い檻の中で、未来が問う。



「何でしょうか?」



「可笑しいと思わない?
 私の身体に傷1つでもつけたら合格なのに、試験が続行している」



「! 確かに… では、何故止めないんですか?」



その言葉を聞いた途端、嫌らしく笑った。



まるで、その言葉を待ち望んでいたかの様に。



「もしさ、君が見ている"私"が








































              幻だったらどうする?」



未来の発言と同時に、"それ"が歪み、消えた。



小森日が振り返ると、満面の笑みをした未来が居た。



"今まで"の未来は全て幻だったのだ。



「一体、どういう理論で…?!」



「まず最初に、私は君の背後に回った。
 自分で言うのも難だけど、私のスピードじゃ、残像が出来ちゃうんだよね」



淡々と説明する。



「でも、残像だし、永遠に残る訳じゃないからさ。『制限時間』みたいなものがある訳で」



「制限…時間?」



「そ。一見デメリットに見えるけど、私はそれを利用した。
 "残像が残っていられる時間"を使って幻を創ったんだよ。
 そして、一時的な、『等価交換(トレード)』を使ったんだ」



この世界での等価交換は魔法でも使用できる。



しかし、等価交換を習得するには最低でも二人必要である。



一人で行うのは不可能だと思われていたが、四百五十年前、等価交換には"主"が居ることが判明した。



そのおかげで、主と契約することで、一人で行うことが出来た。



だが、契約条件があまりにも重すぎるので、契約した者はほぼいない。



未来の条件は『肝臓を与える』というものだった。



それを未来は快く引き受けた。



契約成立したので、今回等価交換を行った。



「等価交換で、私の刀と引き換えに、肉体を召喚させて貰ったんだよ」



未来にとって、刀は命そのもの。



その"命"を肉体と交換したのだ。



そして、相手が幻を見ている間に肉体を召喚させ、溶かせた。



本来、幻ならこんなことはしなくても良いのだが、未来が作る幻は不安定な為、実際に肉体を使わなければ相手は気付いてしまうのだ。



「そんな… 馬鹿な…!」



「じゃ、説明が終わったから、本題に戻ろうか」



次の瞬間、小森日は思い切り腰を蹴られた。



たった一発の蹴りなのに、小森日は奥の壁に強打し、瓦礫(がれき)に埋もれてしまった。



「…死んでいないだろうな?」



「大丈夫よ、殺さない程度にしてあると思うから」



「だが、未来は





















































       『何時も本気、殺す程度が丁度良い』がモットーだったよな?」



「「…あ」」



過去と鬼道の声が重なった。



その途端、強大な魔力で瓦礫が吹き飛んだ。



「「「!?」」」



「おやおや、本気にさせちゃったようだねぇ。















































                     もう1人の小森日ちゃん」




小森日の身体は、一瞬だけ、魂が抜けたように感じられたが、すぐに戻った。



緑と水色の鋭い眼光で、未来を見つめる。



「ハンッ、気付いていたか… まあ良い。
 俺が出てきた、つーことはどうなるか分かってんだよなァ?」