二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 時空心中。【イナズマイレブン 隊員募集】 ( No.252 )
日時: 2011/04/30 12:32
名前: 蒼月白星鏡(別PC (ID: khxqjExY)
参照: ゆっくりって凄いね!(詳しくは小説カキコ「書き方・ルール」へ)

【到着と挑発】

















一瞬にして着いた先は、"蒼"い薔薇が町並を覆う、まるで「森」の様な場所だった。



後ろには、蒼薔薇が覆っている噴水が、水を流している。



作者(蒼月)のイメージだが。



恐らく、その水のおかげで蒼薔薇が咲き誇ることが出来るのであろう。



「此処が…『蒼十字国』……!」



冷静な白斗も、思わず感心してしまう。



「あれ?白斗は此処に来たの、初めてだったっけ?」



「え、うん。大体一人だし、誘われることはあまり無いから…」



「(自覚しているのか)」



未来は心の中で言うことにした。



「あら、早かったわね」



「!」



西の方向から、一人の少女と、四人くらいの少年達が歩いてきた。



少女の姿は、金髪に、蒼玉の様な美しい瞳が特徴的だった。



蒼玉とは、サファイアのことである。



「久しぶり、『ジュリア・クラウン』」



『ジュリア・クラウン』




暴君が支配していた、この国『蒼十字国』に革命を起こした人物の一人。



そしてリーダーといえる人物である。



現在は『蒼十字国』の主、つまり王女になっている。



「…ハァ… 王女達の集いだというのに…何なの、その格好は?」



未来の「普段」の格好のことを指している。



「戦うんだし、この位軽くしなきゃ」



「軽くしすぎよ」



格好はまるで、中学校か高校の制服の様。



「他は?」



「まだ。貴女達が一番よ」



「おや?円堂達はいないのかい?」



「おや、一之瀬… …いや、此処ではカズヤと呼んだ方が良いか」



茶髪の少年『一之瀬一哉』。



「それじゃあ、つまらないなァ」



背が高い少年『土門飛鳥』。



「おい、ルーセント王女の前でその台詞はないだろ」



翠の眼が美しい『マーク・クルーガー』。



ジュリアの恋人である。



「まぁまぁ、落ち着いて」



サングラスかゴーグルか分からない何かがトレードマークの『ディラン・キース』。



「(配慮して英語は使わなかったか。舐められたものだな)」



あえて未来は、「挑発」として受け取っている。



「(じゃ、こちらも挑発し返しますか)」



「ルーセント王女、何がおかしい?」



どうやら微笑んでいたらしい。



「いいや、何でもない」



「そうか」



「それよりカズヤ」



「?」



「円堂が居なければ、私達のことなんかどうでも良いと?」



少しだけ笑みを零(こぼ)しただけなのに、一之瀬は何故か冷や汗をかいた。



「いや…そう言う訳じゃ……」



「じゃあ、今の言葉は?まぁ、















              答えは聞かないけど」



「!?」



確かに目の前には未来の姿がある。



しかし声は二重のように聞こえる。



前から。そして、"後ろ"から。



「口を慎(つつし)め、下僕が」



一之瀬は、背後から思い切り殴られた。



掌(てのひら)をピンと伸ばし、背中に押し当てただけなのに、噴水を貫き、向こう側の住宅へと押しつけられた。



ただ、軽く押し当てただけなのに。



「「「カズヤ!」」」



「構うな、死にはしていない。背骨を少し折ったくらいだからね」



「死んでたらどうするの?」



「死なないよ、招待状に書いてあったでしょ?「此方が自信を持って進める医者が居る」って」



親指で過去を指す。



「えっ?私??」



「「「貴女しか医者は居ないでしょ」」」



部下三人からのツッコミである。



「…これは、挑発として受け取って良いのね?」



いかなる状況でも、冷静に対応する。



これが、ジュリアの性格である。



「ご自由に受け取って下さい」



お互い、微笑んでいる。



「じゃあ、城に案内するわ」



「ありがとうございます。おい馬鹿、カズヤの治療しといて」



「だから馬鹿って言わないで!」



「「「(妹に馬鹿にされる姉って一体…)」」」



当たり前の疑問である。